海上自衛隊 護衛艦 DD-161 あきづき (初代) (エッチング&船底付)
「海上自衛隊 護衛艦 DD-161 あきづき (初代) (エッチング&船底付) (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ J シリーズ No.J-047SP )」です
●1960(昭和37)年に就役した 海上自衛隊の護衛艦、初代「あきづき型」のネームシップ「DD-161 あきづき (初代)」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組み立てキット
●オランダ坂と言われるスロープを船体後半に備えた初期3型式の護衛艦のラストを飾り、艦隊旗艦として装備ランスを考慮した汎用護衛艦「DD-161 あきづき (初代)」の船体をフルハルモデルで再現した内容となっています
●ピットロード社製「海上自衛隊護衛艦 DD-161 あきづき (初代)」のキットに、フルハルモデル再現用のレジン製船底パーツと専用のエッチング「海上自衛隊 護衛艦 初代 あきづき型用」をセットしたスペシャルバージョンとなります
【 「海上自衛隊 護衛艦 DD-161 あきづき (初代) (エッチング&船底付)」のキット内容について 】
●海上自衛隊DD-161 あきづき(初代)を再現したプラスチックモデル組み立てキット
です
●海上自衛隊の艦艇を積極的にモデル化してきたピットロード社のリサーチ力と、実艦への深い造詣により汎用護衛艦「DD-161 あきづき (初代)」を再現、全体のシルエットを捉えながら、同社らしいシャープでメリハリのある彫刻で、海上自衛隊黎明期の護衛艦らしい様々な装備を備えた複雑なディテールを再現した内容となっています
●艦体喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルです
・ 「海上自衛隊護衛艦 DD-161 あきづき (初代)」のオリジナルパーツとして下面が平らな形状となる船底パーツもセットしていますので、洋上モデルとして作製することもできます
●初代「DD-161 あきづき」の「竣工時」「最終時」の2つの状態を選択して作製することが可能です
・ 「Mk.108 対潜ロケット発射機」「ヘッジホッグ Mk.10」「短魚雷落射機」と「爆雷投射機(Y砲)」「爆雷投下軌条」を装備し、前部「3インチ砲」にカバーが装備されていない竣工時の姿
・ 「71式 ボフォース対潜ロケット・ランチャー」「74式3連装 短魚雷発射管」と「可変深度ソナー (VDS)」を装備した最終状態
●「DD-161 あきづき」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立て、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は上甲板を含めた船体上部と、船体下部を上下に分割したパーツで再現
・ 船体は現用艦に通じる舷窓のないフラットな舷側を再現しています
・ 船底はレジン製パーツで、フルハルモデル用の推進軸(×2)、スクリュー(×2)、舵(×2)を別パーツ化しています (レジン製パーツ)
●上甲板は、船体に一体成型となった上甲板と別パーツ化した艦尾部作業甲板とで構成
・ 甲板全体にある「歩行帯」は繊細な凸モールドで再現、ガイド無しでの塗装を容易にしているだけでなく、専用のデカールが準備されており、単調となりがちな1/700スケール艦艇に情報量を盛り込む工夫が施されています
●上甲板上の構築物となる「マスト」「砲塔」対潜ロケット砲「魚雷発射管」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
初代DD-161 あきづきの艦上の構造物は下記のようなパーツで構しています
●艦橋
・ 旗艦設備を搭載するため、以前の型式より大型になった艦橋部は、箱型の下部構造物に半円形の前面を持つブリッジが組み合わされた姿で再現しています
・ 艦橋部分は、前部、側面、上構、天板に分割されたパーツ構成となっています
・ 艦橋上構の窓、リブ、旗箱、水密扉、救命浮き輪などのディテールをモールドで再現
●メインマスト、後檣
・ メインマストは四脚檣型、側面はトラスが張られておりヤードとマスト頂部は別パーツ化して再現しています
・ マスト上に設置された「OPS-1 対空レーダー」「OPS-5 対水上レーダー」は別パーツ化して再現しています
● 第1煙突・第2煙突
・ ファンネルキャップは別パーツ化
・ 煙突側面のダクトや補助ボイラー用小煙突などをモールドで再現しています
●探照灯台座、及び探照灯は別パーツで構成
●主砲塔部 「5インチ 54口径単装砲 Mk.39」 ×3
・ 砲塔は砲塔本体と砲身の2パーツで構成
●主砲塔部 「50口径 3インチ連装速射砲 Mk.33」 ×2
・ 砲塔は砲架と砲身の2パーツで構成、これにシールドパーツを取り付けて作製します
・ シールドの有無により就役直後と後日装備完了後の姿を作り分けることが出来ます
●「Mk.108 対潜ロケット発射機」 ×1
・ 発射機本体と専用台座の2パーツで再現、艦橋前方に装備します
●「71式 ボフォース対潜 ロケット・ランチャー」 ×1
・ ランチャー本体と専用台座との2パーツで再現、艦橋前方に装備します
●「5インチ/3インチ装填演習砲」 ×各1
・ 5インチは探照灯台座右側、3インチは第2煙突の直後の左側に装備します
●「対潜弾発射装置 ヘッジホッグ Mk.10」 ×2
・ 発射機本体とカバーの分割式、艦橋の直前両舷に装備します
●「65式 53センチ 長魚雷発射管」 ×1
・ 第1煙突の直後に装備、その後方左舷には予備魚雷4発を搭載
●短魚雷落射機 (左右)
・ 竣工時に使用、後部3インチ砲の両脇に装備しますが、左右で位置が異なり、左舷側は若干前方に装備します
●3連装 短魚雷発射管 (左右)
・ 1977年(昭和52年)以降に装備、後部3インチ砲の両脇に装備します
●「MK.57 射撃指揮装置」 ×2
・ 1基を艦橋上部に、もう1基を第2煙突後方の架台に装備し、装置本体と架台は別パーツで構成しています
●爆雷投射器 (Y砲)×2
・ 竣工時に使用、作業甲板は船体と別パーツとなっており、砲本体と爆雷ラックは甲板とは別パーツで再現しています
●爆雷装填台 ×2
・ 竣工時に使用、作業甲板は船体と別パーツで構成、爆雷投下軌条も別パーツで再現しています
●将官艇、内火艇、カッター、救命筏及びボートダビッド
・ 竣工時は将官艇/カッター ×各1、内火艇 ×2となります
・ 最終時は将官艇 ×1、内火艇 ×2となり、不要なボート架台を削り取る必要があります
・ また最終時には 膨張式救命筏のコンテナ ×8が追加装備となります
●その他、艤装類などを再現したパーツとして
・ 艦首及び艦尾旗竿
などが付属しています
【 付属しているエッチングパーツについて 】
●ディテールアップ用のエッチングパーツとして、ピットロード社製「海上自衛隊 護衛艦 初代 あきづき型用 エッチングパーツ」が付属しています
●エッチングパーツの内容は
・ 艦橋窓
・ AA砲安全柵(4)
・ OPS-1素子/フラット/レーダー
・ OPS-5フラット/レーダー
・ 艦首
・ 艦尾旗竿
・ 右舷/左舷舷梯
・ 右舷/左舷爆雷投下軌条
・ メインマスト
・ フォアマスト
などとなっています
●デカールは「DD-161 あきづき (初代)」の1隻分が付属
・ 艦首・艦尾の日章旗海軍旗、艦名、ハルナンバー、昭和44年まで採用されていた船体側面の大判の艦名表記が付属
●歩行帯デカールが付属
・ 現用艦艇モデルで制作上のネックとなる歩行帯を別版のデカールで再現しました
・ このデカールは先に甲板を塗装し、構造物を接着する前に貼り付ける事により綺麗に歩行帯が再現できます
・ 事前に周囲のニスをカッターナイフで切除してから「Mr.マークソフター 」等のデカール軟着剤を併用するとフィットし易くなります
・ 完全に乾燥させてから次の作業に移ってください
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属しています
●DD-161 あきづき (初代)の船体サイズ
・ 全長 : 約168mm
【 「海上自衛隊 護衛艦 DD-161 あきづき (初代) (エッチング&船底付)」のパッケージ内容 】
・ 護衛艦 DD-161 あきづき (初代) ×1
・ レジン製パーツ ×7
・ エッチングシート(「海上自衛隊 護衛艦 初代 あきづき型用 エッチングパーツ」) ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ レジン製パーツの取り付け説明書 ×1
●スポット生産品
【 「あきづき型護衛艦 DD-161 あきづき (初代)」について 】
●初代「あきづき型」は「あやなみ型」、初代「むらさめ型」に続き建造された戦後4番目の国産護衛艦(当初は甲型警備艦)です
●初代「あきづき型」は国産護衛艦ではありますが、実際には同盟国であるアメリカが1957会計年度予算に基づき行った「域外調達 (Off Shore Procurement:OSP)」として日本の造船所で造られたアメリカ海軍の駆逐艦でした
・ 当時アメリカは同盟国に対し軍事援助と対象国の建艦技術向上を目的に、アメリカ海軍が設計した艦艇の建造を発注し、初代「あきづき型」も本来なら「フレッチャー級」に準じた艦となるはずでした
・ しかし、当時の日本では既に数型式の護衛艦を建造し造艦技術が向上していたため、アメリカの特別な支援を要することなく、初代「あきづき型」は日本の設計によるオリジナルな型式として発注されることになります
●1960(昭和37)年、初代あきづき型1番艦「DD-161 あきづき (初代)」は、「あやなみ型」以来のオランダ坂を備えた艦型で建造、これでオランダ坂という特徴を持つ海上自衛隊護衛艦の初期3型式が出揃うことになります
●初代「あきづき型」は旗艦設備を任される艦を期待され、先に建造された対潜護衛艦「あやなみ型」と、対空重視の初代「むらさめ型」の両方の性格をバランスよく引き継いだ、真の意味での海上自衛隊初となる「汎用護衛艦」として誕生しました
●供与するアメリカ側の予算に余裕があったため、初代「あきづき」型は、初代「むらさめ型」を超える海上自衛隊初の「2,000トン級」護衛艦となり、2,350トンの基準排水量を活かした余裕ある装備と、艦舷の高いオランダ坂護衛艦の特有の優雅なシルエットで、海上自衛隊旗艦としてふさわしい姿となりました
●初代「あきづき型」は、「ミッドウェー級空母」からの転用された「5インチ 54口径単装砲 Mk.39主砲」を3基、「50口径 3インチ連装速射砲 Mk.33」を2基という、初代「むらさめ型」と同量の砲を備え、「ヘッジホッグ Mk.10」を2基、「長短魚雷」や「爆雷兵装」等の対潜兵装も「あやなみ型」と同量の装備も持ち、当時としてはスーパー護衛艦と言っても差しさわりのない護衛艦と言えました
●加えて、当時まだ新鋭装備だった「Mk.108 対潜ロケット発射機」が海上自衛隊艦艇の中で初めて装備され、後にこれに換えてより強力な「71式 ボフォース4連装対潜ロケットランチャー」が装備され、海上自衛隊最強の護衛艦であった事は間違いありません
●武装以外でも「放射能塵洗浄装置」と呼ばれる散水装置を本格装備され、艦内の密閉通風循環装置と共に冷戦下で起こり得た核戦場での行動に対応した装備が施され、初代「あきづき型」が海上自衛隊の最後の砦としての活動を前提に作られていた事が判ります
●また、旗艦設備としては司令部「CIC (戦闘指揮所)」を始め、多くの将官室が設けられ、主だったものが大型化した艦橋構造物に収められていました
●さらに、初代「あきづき型」には「8.5メートル 内火艇」を将官艇として搭載、旧海軍の将官艇に比して大型のキャビンを有するこの艇は「ガマ蛙」の愛称で親しまれていました
●こうして「DD-161 あきづき (初代)」は、就役以来長年に渡り海上自衛隊の旗艦を勤めましたが、その一方で遠洋航海実習の旗艦としての役割も数多くこなしています
●その中では足掛け4ヶ月にも及ぶ長期航海も実施しており、次代を担う幹部候補生の育成と共に、海外の多くの港を訪問、友好国に対する親善訪問、「砲艦外交」のシンボルとしての役割も背負っていました
●「DD-161 あきづき」は、1960(昭和35)年の供与当初は横須賀地方隊に編入、護衛艦隊(旗艦)に編入されました
●その後も可変深度ソナー (VDS)の装備など、数々の装備変更を経て、1985(昭和60)年、特務艦に種別変更、1993(平成5)年に除籍され、33年の長期に渡る使命を終えています
●初代あきづき型は、真の意味での汎用護衛艦の道を開き、後のはつゆき型以降続いてゆく海上自衛隊護衛艦の進化の道筋を示し、基礎を築いた重要な艦艇と言えるでしょう