Sd.Kfz.186 キングタイガー ヘンシェル砲塔
「Sd.Kfz.186 キングタイガー ヘンシェル砲塔 (プラモデル) (ズベズダ 1/35 ミリタリー No.3601 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の重戦車「Sd.Kfz.182 キングタイガー」の「ヘンシェル砲塔型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●71口径 長砲身砲の絶大な打撃力と、最大装甲180mm厚の強靭な防御力を備え、最強戦車として君臨した「Sd.Kfz.182 キングタイガー」を再現、切り立った形状の砲塔と、傾斜装甲を多用した車体とが織り成す、迫力と重厚感溢れるフォルムを再現した内容となっています
●本キットで再現している「キングタイガー」は
・ 砲塔 : 前部が切り立った形状となる「ヘンシェル砲塔」
・ 砲塔前部の照準口はバイザーが付いた車両と付いていない車両とを選択可能
・ 防盾 : 中央部に段差があるタイプ
・ 装填手ハッチ : 1944年6月以降の角が丸いタイプ
・ 車長キューポラ : 溶接止め、リング状の対空機銃マウントを装備
・ 砲塔後部のエスケープハッチ : 角のあるタイプ、下部のトーションバーの部分に装甲カバーが付く(オプションパーツとして角を切り落としたタイプのハッチも付属しています)
・ 操縦手用のペリスコープガード : 通常のタイプと上部を切り取ったタイプの2種をセット
・ エンジンデッキの通気口 : 装甲カバーの有無を選択可能、
・ エンジンデッキ : 後部右側に燃料タンク通気パイプを装備
・ 起動輪 : 標準型 (9枚歯)
・ 履帯 : Gg26/800/300
という、「Sd.Kfz.182 キングタイガー」の「中期型」を再現しています(時期的には1944年6月頃の生産車両となりますが、選択パーツによっては特徴が合致しない部分も生じます)
【 「Sd.Kfz.182 キングタイガー」について 】
●ドイツ軍は、第2次世界大戦前から「1号戦車」~「4号戦車」とは別に重戦車の研究と開発を行っており、「ヘンシェル」社と「ポルシェ」社では独自の重戦車の試作車を製作していました
●1941年5月、この2社に対してドイツ軍は正式に重戦車「タイガー 1」の開発の指示を通達し、両社は試作車の製作を開始します
●「タイガー 1」は、当時の戦車を凌駕する火力と装甲を持っていましたが、「タイガー 1」の開発段階でドイツ軍では将来を見越してより強力な戦車「タイガー 2」の開発もこの2社に指示します
●この「タイガー 2 (キングタイガー)」の開発指示は独ソ戦の開始以後となったため、戦前からの重戦車開発の延長となる「タイガー 1」とは異なり、「T-34」ショックを反映した傾斜装甲を大幅に採り入れることと、新規開発が始まった「5号戦車 パンター」との部品の共有化を図るために、「タイガー 1」の発展型ではなく、「パンター」の重戦車版という形態となりました
●「キングタイガー」は当初は「ポルシェ」社のプランが先行していましたが、このプランは「タイガー 1」の「ポルシェ」社の試作車である「VK45.01(P)」と同じ駆動システムを採用していたことから「ヘンシェル」社の車体が採用されます
●また、先行量産していた「ポルシェ」社の砲塔をそのままこの「ヘンシェル」社の車体に搭載することで、「キングタイガー」として制式化が行われますが、この「ポルシェ」社の砲塔は量産に向かないことや、防御上の観点から、既に製造していた50両分のみが使われ、その後は「ヘンシェル」社による砲塔を搭載しました
●この「キングタイガー」の「ヘンシェル砲塔型」は1944年6月から生産を開始します
・ 「キングタイガー」の主砲は「71口径 88mm戦車砲 KwK43」で、「タイガー 1」の主砲である「56口径 88mm戦車砲 KwK36」をさらに強力にしたこの砲は、通常の戦闘距離はもちろん、遠距離においても連合軍戦車の正面装甲を軽く貫く能力を持ちました
・ その防御力は、切り立った形状の砲塔前面は180mm厚、傾斜した車体前面部は150mm厚という装甲を誇り、これは当事の連合軍戦車の主砲では貫通が不可能なもので、実際に正面装甲を貫いた写真は皆無であり、余程の大口径砲でもない限り、正面からの撃破は極めて困難でした
●当事、破格の火力と防御力を誇った「キングタイガー」は世界最強の戦車としてその片鱗を連合軍に対して発揮しますが、「ポルシェ砲塔型」の生産開始は1944年1月、「ヘンシェル砲塔型」の生産開始は1944年6月という生産開始時期の遅さがネックとなります
・ この大戦後期において制空権は連合軍の手中にあり、地上戦では無敵の存在である「キングタイガー」も大きな行動の制限を受けるようになりました
・ また、1944年8月頃からはドイツ軍は連合軍の大兵力によって東西から挟撃されるようになり、「キングタイガー」の能力を持ってしても戦局の挽回は難しいものでした
●1944年12月、ドイツ軍はアルデンヌにおいて攻勢を行い、一定の戦果を挙げましたが、1945年に入ると戦況は絶望的となります
●しかし、「キングタイガー」は絶望的な状況下においても、燃料と弾薬が尽きるまでそのポテンシャルを如何なく発揮し、雲霞のように押し寄せる連合軍戦車に対し最強戦車らしい戦い振りを展開したのです
【 「Sd.Kfz.186 キングタイガー ヘンシェル砲塔」のキット内容について 】
●このドイツ軍の重戦車「Sd.Kfz.182 キングタイガー」の「ヘンシェル砲塔型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ズベズダ社が1/72スケールなどで培ったセンスある設計力と造形技術に基づき、いたずらにディテールを追ってパーツの細分化を行うのではなく、モールド表現を主体にしたオーソドックスなパーツ構成により「キングタイガー ヘンシェル砲塔型」を再現した内容となっています
●「Sd.Kfz.186 キングタイガー ヘンシェル型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●砲塔は、前方が切り立った形状となる「ヘンシェル型砲塔」を再現、各部の溶接跡を強弱を付けたモールドで再現しています
●「71口径 88mm戦車砲 KwK43」の砲身は、先端部のマズルブレーキも含めて左右に分割したパーツで構成
・ 「防盾」は前後方向に3分割したパーツで再現しています
・ 「砲尾」も再現、「防危板」「駐退復座装置」などを含めて8パーツで構成
・ 「防盾」(砲身)は完成後も上下可動とすることができます
●砲塔は、上部、下部、前面部の3パーツで構成
・ 前面の照準口部分にはバイザーが付いた状態となっており、バイザーを装着していない車両を作製する場合には、このモールドを切り落とします
・ 「装填手ハッチ」「エスケープハッチ」は別パーツ化、裏側のディテールも再現しており、開閉状態を選択できます
・ 砲塔各部の「毒ガス検知パネル」を別パーツ化、取り付けの有無を選択できます
・ 「ベンチレーター」は通常の状態と防水カバーを付けた状態の2種のパーツをセット、選択して使用することができます
・ 「Sマイン発射機」「吊り下げフック」は別パーツ化
・ 「予備履帯固定具」は1本ずつ個別にパーツ化、装着する「予備履帯」も1枚ずつに分割したパーツで再現しています
●車長キューポラは砲塔とは別パーツとなっています
・ 「車長キューポラ」は上下に分割したパーツで再現、下部パーツにはペリスコープを一体成型化しています
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 「対空機銃架」は3パーツで再現、装着の有無を選択できます
【 車体上部 】
●車体上部は「キングタイガー」の車体上部レイアウトを再現、各部の溶接跡は強弱を付けたモールド、パネルライン、ボルト穴などはエッジの立ったモールドで再現しています
●車体上部は、一体成型のパーツで再現、前方機銃のマウントは別パーツとなっています
・ 「前方機銃マウント」は2パーツで再現、機銃は別パーツ化しています
・ 「操縦手ハッチ」「前方機銃手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 前部の「ベンチレーター」は形状の異なる2種をセット、選択して使用することができます
・ 操縦手用の「ペリスコープ」は、取り付けベース、ペリスコープ本体、ペリスコープガードの3パーツで構成、ペリスコープガードは通常のタイプを上部を切り欠いたタイプの2種をセットし、選択して使用することができます
・ 「ボュシュライト」は前後に分割したパーツで構成、ベース部分は1パーツで再現しています
・ 「前部フェンダー」は1パーツで再現、側面のカバーとその固定具は個別にパーツ化しています
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 「サイドスカート」は左右それぞれ一体成型のパーツで再現
●エンジンデッキは、手榴弾除けネットが付き、燃料タンクの通気パイプが1つとなる「キングタイガー」の「中期型」のレイアウトを再現
・ 「エンジン点検ハッチ」は車体とは別パーツとなっています
・ 点検ハッチ上部の「ベンチレーター」は前後の形状の違いを再現
・ 「通気口」は装甲カバーの有無を選択できます
・ エンジンデッキ各部の「吊り下げフック」を別パーツ化
・ 「手榴弾除けネット」は枠の部分はプラパーツ、ネットは付属のメッシュを切り出して作製します
・ エンジングリルの各メッシュは付属のメッシュを切り出して再現(説明書にはメッシュの切り出すテンプレートを記載しています)
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現、後部パネルは別パーツとなっています
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化
・ 「転輪」は前後に分割したパーツで再現、ハブキャップは別パーツとなっています
・ 「起動輪」は前後に分割したパーツで再現
・ 「誘導輪」は前後方向に3分割したパーツで構成しています
●後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 「車間表示灯」はモールドにて再現
・ 「排気管」は、下部の部分を前後に分割した2パーツで再現
・ 「排気管」の装甲カバーは1パーツで再現、始動クランクの固定具は別パーツ化しています
・ 「ジャッキ」は3パーツで構成、「固定具」は各1パーツで再現しています
【 履 帯 】
●履帯は、「キングタイガー」用の通常型履帯「Gg26/800/300」を再現しています
・ 履帯は、1枚ずつに分割した接着連結式となっています
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「ティーガー 2型 戦車用履帯 (可動式)」が対応しています
【 「Sd.Kfz.186 キングタイガー」の塗装とマーキング 】
●「Sd.Kfz.182 キングタイガー ヘンシェル型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第505重戦車大隊 (1944年)
・ SS第501重戦車大隊 (アルデンヌ / 1944年)
・ SS第501重戦車大隊 (ソ連軍捕獲車両)
・ SS第501重戦車大隊
・ 第503重戦車大隊 (1945年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、部隊マークなどを再現したデカールが付属しています
【 「Sd.Kfz.186 キングタイガー ヘンシェル砲塔」のパッケージ内容 】
・ Sd.Kfz.182 キングタイガー ヘンシェル砲塔型 ×1
・ メッシュ ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 完全新金型