ポーランド ヴィッカース E型軽戦車 双砲塔機銃タイプ
「ポーランド ヴィッカース E型軽戦車 双砲塔機銃タイプ (プラモデル) (FTF 1/72 AFV No.PL1939-028 )」です
●第2次世界大戦時におけるポーランド軍の軽戦車「ヴィッカース E型 双砲塔型」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●イギリスから輸入し、対独戦にも使用した「ヴィッカース E型 双砲塔型」を再現、車体上部に小型の砲塔を2基並列配置した、黎明期の戦車らしい特異なフォルムを再現した内容となっています
●FTF社製「ポーランド 7TP軽戦車 37mm砲搭載型」をベースとして、「ヴィッカース E型 双砲塔型」を再現するために、車体、砲塔などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
・ 「ポーランド 7TP軽戦車 37mm砲搭載型」のキットとは、足周りのみを共通パーツとしています
【 「ヴィッカース E型 双砲塔型」について 】
●第1次世界大戦後、世界トップレベルの戦車技術を持つイギリスは戦争による疲弊した経済を立て直すために、積極的に戦車の輸出を行うようになりました
●中でも、兵器メーカー「ヴィッカース・アームストロング」社では軍事費の削減によりイギリス軍からの受注が減った分、海外での販路を求め、輸出用の戦車を数多く開発しています
●この「ヴィッカース・アームストロング」社が開発、生産した輸出用戦車の代表格が軽戦車「ヴィッカース E型」(「ヴィッカース 6t戦車」)で、当事の最先端の戦車技術を把握するために世界中の国々がこの戦車を輸入しました
●第1次世界大戦の結果、それまでロシアの統治下にあったポーランドは独立を果たします
●しかし、ドイツとソ連(ロシア)という2大国に挟まれている上、ドイツとは領土を巡る紛争が絶えなかったことから、国軍の整備と増強に力を注ぎ、各国から車両や武器を積極的に輸入、優秀な装備に関してはライセンス生産を行いました
●ポーランド軍は、「ヴィッカース・アームストロング」社の軽戦車「ヴィッカース E型」に注目し、38両を輸入します
●この38両は全て初期生産型の「双砲塔型」でしたが、後に「単砲塔型」の砲塔も輸入、22両が「単砲塔型」へと改修されています
・ ポーランド軍では、エンジンの過熱を防ぐために、エンジンデッキの上部に車体の左右に伸びる吸気用の大型ダクトを装着しているのが特徴です
●ポーランドは、「ヴィッカース E型」のライセンス生産権も獲得、ポーランド仕様の装甲を強化した軽戦車「7TP」の生産を行い、「ヴィッカース E型」と同様に「単砲塔型」と「双砲塔型」の2種を生産しています
●輸入した「ヴィッカース E型」もポーランド軍の装備としてそのまま運用が行われており、対独戦にも参加、貴重な戦車戦力として奮戦しますが、強大なドイツ軍相手に苦戦を強いられたのでした
【 「ポーランド ヴィッカース E型軽戦車 双砲塔機銃タイプ」のキット内容について 】
●このポーランド軍の軽戦車「ヴィッカース E型」の「双砲塔型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●足周りと車体の主要部は一体成型を多用してパーツ数を抑え、車体上のディテールはシャープな彫刻によって「ヴィッカース E型 双砲塔型」をミニスケールに沿って再現した内容となっています
●東欧系メーカーながらかっちりとした繊細な彫刻と、センスある造型力で「ヴィッカース E型 双砲塔型」を再現、コレクション性を重視して極力パーツ数を抑えた内容ながらも、実車のポイントをしっかりと押さえてその特徴的な姿とディテールとを再現しています
・ 総パーツ数は26点ですので、1時間程度で組み立てることが可能、週末モデリングやちょっと時間が空いた際の模型製作、そしてコレクションに適したキットです
●「ヴィッカース E型 双砲塔型」は、「砲塔」「車体」「左右の足周り」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●上部に弾倉収納部が突き出した「ヴィッカース E型 双砲塔型」の砲塔(銃塔)形状を再現、各部のリベットをスケールに沿った繊細なモールドで再現しています
●砲塔は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「上部ハッチ」はモールドで再現しています
・ 「銃身」は一体成型のパーツで再現
・ 上部の「ベンチレーター」は別パーツ化しています
【 車 体 】
●ポーランド軍のオリジナル仕様としてエンジンデッキ部に大型のダクトを装備した「ヴィッカース E型 双砲塔型」の車体レイアウトを再現、吸気口のグリルや各部のリベットなどをスケールに沿った繊細なモールドで再現しています
●車体は、上下分割のパーツで構成、戦闘室の天板は別パーツ化しています
・ 「フェンダー」は、車体上部パーツに一体成型化しています
・ 後部の「大型ダクト」は別パーツ化、スライド金型を使用して吸気口のグリルをモールドで再現しています
・ 「操縦手ハッチ」はモールドで再現
・ 「前照灯」「排気管」「排気グリル」などを別パーツ化しています
【 足周り 】
●足周りは、サスペンション、転輪、履帯などを一体成型化したパーツで再現しています
・ 「起動輪」「誘導輪」の肉抜き穴を開口しています
・ 「履帯」は、表面の滑り止めパターンと裏面のセンターガイドを再現、センターガイドはスケールに沿って薄く成型しています
●「ヴィッカース E型 双砲塔型」のカラー塗装図やポーランド軍の「ヴィッカース E型」の写真、実車解説などが記載されたカラー小冊子(ポーランド語表記)が付属しています
【 「ポーランド ヴィッカース E型軽戦車 双砲塔機銃タイプ」のパッケージ内容 】
・ ヴィッカース E型 双砲塔型 (ポーランド軍仕様) ×1
・ カラー小冊子 ×1 (12ページ)
●2015年 一部新金型
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【 「FTF社のキット」について 】
●東欧系メーカーと言えば、レジン製キットのような素朴なモールドやパーツ同士の合いが悪いなどという印象がありますが、FTF社のキットはそのような東欧系メーカーのイメージを払拭するような出来であり、シャープなモールドと造型のセンスはスケールモデルとして良質なものです
●FTF社のキットは、シミュレーションゲームの駒として利用することが考慮されていることからパーツ数を極力抑えているという特徴も持っています
●しかし、ゲームの駒といっても、上記のようにスケールモデルとして設計されているため、その内容は決して手を抜いている訳ではありません
●最近のキットはパーツの細分化が進む中、このようなパーツ数を抑えたキットは貴重であり、模型製作に多くの時間を割けない人や、数を作ってコレクションを楽しみたい人、そして塗装の練習や塗装に時間を掛けたい人などに極めて有用なキットです
●「作った」「完成した」という、模型としてのプロセスの楽しさを短時間で味わうことができ、様々な情報の氾濫や思い入れによりなかなか完成に至らないモデラーにとって良きカンフル剤となることでしょう
●完成したキットを見ると、きっと「これでイイんだ」という思いが沸々と湧き上がるものと思います