ドイツ 38(t)戦車 E/F型
「ドイツ 38(t)戦車 E/F型 (プラモデル) (ホビーボス 1/35 ファイティングビークル シリーズ No.80136 )」です
●第2次世界大戦初期におけるドイツ軍戦車「38(t)戦車 E/F型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦車不足に悩むドイツ軍にとって「3号戦車」並みの攻撃力を持つ戦車として電撃戦を支えた「38(t)戦車」のバリエーション車輌、戦闘室前面パネルを面一とし、全体に渡ってリベット接合を多用して大型転輪を装備した「E/F型」を再現、クラシカルさが漂う車体に近代的な足周りを備えた独特のフォルムを再現した内容となっています
【 「Pz.Kpfw. 38(t)戦車 E/F型」について 】
●ヨーロッパ中央に位置していた「チェコスロバキア共和国」は、第1次世界大戦後、「オーストリア・ハンガリー帝国」から分離独立した国家です
●本来の「チェコスロバキア共和国」はチェコスロバキア主義に基づいた独立した国家の筈でしたが、戦勝国の都合で西部の「チェコ」と東部の「スロバキア」とを合併させた国家となり、チェコ地方は工業が盛んだったのに対して、スロバキア地方は農業を主体としていました
●「チェコスロバキア(正確にはチェコ地方)は、オーストリア・ハンガリー帝国時代から重工業や精密機器製造が活発であり、1920年代から自国での戦車開発を進めていました
●この戦車開発の中心となっていたのが、「シュコダ」社と「CMD」社の2大メーカーであり、両社が凌ぎを削って開発と生産を担当、この2社の戦車は東欧諸国を中心に高い人気を獲得します
●軽戦車「LTvz.38」は、「CKD」社がチェコスロバキア軍向けの新型戦車として1938年に開発した戦車で、「シュコダ」社が開発した「LTvz.35」(後の「35(t)戦車」)の後継として制式採用されています
●これまでチェコスロバキア製戦車は高い評価を得ていたため、東欧諸国を中心に新型の「LTvz.38」への期待は大きく、チェコスロバキア軍が制式化する前から「CKD」社では世界各国から「LTvz.38」の発注を受けていました
●ところが、1938年に開催されたヨーロッパ列強国による「ミュンヘン会談」により「チェコスロバキア」の解体が決定され、西部の「チェコ」はドイツへと併合され、東部の「スロバキア」は独立してドイツの傀儡国となります
●ドイツ軍は「LTvz.38」を含めたチェコスロバキア軍の装備を接収、「CKD」社もドイツの管轄化となり、「BMM」社へと名を改めて「LTvz.38」をドイツ軍仕様とした「38(t)戦車」を生産します
●「38(t)戦車」は、主力戦車を務めるはずだった「3号戦車」の量産がままならず戦車不足に喘いでいたドイツ軍にとって恵みの戦車となり、また、「3号戦車」に準じた火力を装備していたため、「3号戦車」の小型版として重宝されました
●「38(t)戦車」は、「D型」までは最大装甲25mmという防御力を持ち、「A型」は150両、「B型」~「D型」は各型合計325両を生産しました
●「38(t)戦車」は、大戦開戦時におけるドイツ戦車のレベルから見ると標準的な装甲を備えていましたが、小口径の対戦車砲に耐えうる能力すらなく、改良を施し1940年11月に登場したのが防御力強化型となる「E型」です
・ 「E型」では、戦闘室前面パネルを面一に変更、砲塔及び車体前面には25mmの装甲を追加しています
・ また、砲塔側面などの装甲厚も増やしており、全体的に装甲を強化、この「E型」から「38(t)戦車」は小型戦車ながらも中戦車程度の防御力を持つようになりました
●続く「F型」は1941年5月から生産を開始、「E型」と「F型」とは外観上の違いはほとんど無く(車体後部に発煙装置が在るのが「F型」となるようです)、通常は「E/F型」と表記されています
●「38(t)戦車 E/F型」は合計525両を生産、独ソ戦初期におけるドイツ戦車部隊の一角を占めていました
●「38(t)戦車 E/F型」は、独ソ戦の緒戦におけるドイツ軍の勝利に大きく貢献、「3号戦車」の長砲身型の登場後も補助的な戦車として運用が続き、大戦中期頃までドイツ戦車部隊の主力として活躍しています
●また、戦車としての能力が不足するようになっても、設計に無理が無く、機械的な信頼性に高い「38(t)戦車」は、「マーダー」や「グリレ」などの自走砲の車体の車体として活用、大戦を通じてドイツ軍の機甲戦力として大きな貢献を果たしたのです
【 「ドイツ 38(t)戦車 E/F型」のキット内容について 】
●このドイツ軍戦車「38(t)戦車 E/F型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●パーツの細分化とエッチングパーツの構成で「38(t)戦車 E/F型」のディテールを追及しながら、ルーバー、フェンダー、起動輪、誘導輪などのパーツを薄く成型、車体装備の薄さと、「38(t)戦車」シリーズの細かな構造の再現に重きを置いた内容となっています
・ 「38(t)戦車」は小型の戦車ですので、パーツを細分化しながらも総パーツ数はそれ程多くはありませんが、エッチングパーツが多く含まれていることから、中級者以上のユーザーを対象としたキットです
●「オーバーコート」を着用した戦車兵のフィギュアが2体付属しています
●「38(t)戦車 E/F型」は、「砲塔」「車体」の2ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●前面パネルを一段前に突き出した「38(t)戦車」の砲塔形状を再現、特徴的な表面のリベットを繊細かつシャープなモールドで再現しています
●「37mm戦車砲 KwK38(t)」の砲身は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口を開口しています
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「砲尾」は左右に分割したパーツで再現、「閉鎖器」「肩当て」「操作ハンドル」「照準器」を別パーツ化しています
・ 「防盾」は、完成後も上下に可動させることができます
・ 「同軸機銃」は、前後に分割したパーツで再現、銃口も開口しています
・ 「同軸機銃」は、完成後も上下及び左右に可動させることができます
●砲塔は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「車長キューポラ」も、砲塔上部に一体成型化しているプレートをベースに、各パネルを貼り合せて作製します
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「照準口」の「遮光カバー」はエッチングパーツにて再現
【 車 体 】
●戦闘室前面パネルを面一にした「38(t)戦車 E/F型」の車体レイアウトを再現、各部のリベット、フェンダーのプレスパターン、雑具箱のパンチングなどを繊細かつシャープなモールドで再現しています
●車体は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
・ 「前方ハッチ」と「視察ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「視察ハッチ」内側の「視察装置」はクリアパーツで再現、操縦手用の「視察装置」は2種のパーツをセットしており、「視察ハッチ」の開閉状態に合わせて使い分けます
・ 「前方機銃」は、前後に分割したパーツで再現、銃口を開口しています
・ 「前方機銃」は、完成後も上下及び左右に可動させることができます
・ 「ノテックライト」「前方機銃の照準装置」「尾灯」「車間表示灯」などを別パーツ化
・ 「アンテナマウント」は2パーツで構成
・ 「エンジン点検ハッチ」は別パーツ化、下部の通気口のメッシュはエッチングパーツで再現しています
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 「排気管」は3パーツで構成、先端部は開口しています
・ 「発煙装置」は5パーツで再現
●フェンダーは左右それぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「フェンダー支持架」は、フェンダーに一体成型化、最前部の支持架のみは別パーツとなっています
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具の一部を一体成型化しており、固定クランプ、固定バンドはエッチングパーツで再現します
・ パンチング状の「雑具箱」は各パネルを箱組み状に貼り合せて作製します
●大型転輪を採用した「38(t)戦車」の車体下部足周りを再現
・ 「サスペンションユニット」は各7パーツで構成 (全4ユニット)
・ 「起動輪」「誘導輪」は前後に分割したパーツで再現、ハブキャップは別パーツとなっています
・ 「転輪」は、ホイール、ゴムの部分、ハブキャップの3パーツで構成
【 履 帯 】
●履帯は、裏側のガイドが2枚となる「38(t)戦車」用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、1枚ずつに分割した接着連結式で再現しています(説明書には嵌め込みによる可動式となっていますが、実際には可動式として組むことは極めて困難です)
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「プラガ 38(t)戦車系列 自走砲用履帯 (可動式)」が対応しています
【 フィギュア 】
●戦車兵のフィギュアが2体付属しています
・ トライスター社製「ドイツ1号戦車 A 後期型」「ドイツ 武装親衛隊 戦車兵セット」に含まれているフィギュアと同一となります
●フィギュアのポージングは
・ ハッチから上半身を出して、双眼鏡を片手に持ち、側方を向いたポーズ
・ ハッチから上半身を出して、片手にヘッドフォンを持ち、もう一方の手は車体上に載せて、振り返っているポーズ
となっています
●服装は、「オーバーコート」を着用、マフラーを巻き、「ベレー帽」を被った姿です
・ 「略帽」を被った姿(×1)と、「熱帯規格帽」を被った姿(×1)の2種のスペアヘッドが付属、選択して使用します
・ 「ベレー帽」と「熱帯規格帽」は、「38(t)戦車 E/F型」の登場時期と投入された戦線に合いませんので、「38(t)戦車 E/F型」に対応するのは「略帽」を被った姿(×1)のみとなります
●服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、服の縫い目などの細部は繊細かつシャープなモールドで再現しています
●フィギュアは、「頭部」「胴体」「両腕」「靴」のパーツに分割したオーソドックスなパーツ構成となっています
●フィギュア用の装備品として
・ 拳銃用ホルスター ×2
・ 双眼鏡 ×1
・ ヘッドフォン ×1
が付属しています
●視察装置を再現するクリアパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、通気口のメッシュ、照準口の遮光フード、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「38(t)戦車 E/F型」の塗装とマーキング 】
●「38(t)戦車 E/F型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第22戦車師団 (クリミア / 1941年~1942年)
・ 第22戦車師団 (クリミア / 1942年)
・ 第7戦車師団 (ロシア / 1942年)
・ 第22戦車師団 (クリミア / 1942年)
・ 第19戦車師団 (ロシア / 1942年)
・ 第8戦車師団 (ロシア / 1941年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「ドイツ 38(t)戦車 E/F型」のパッケージ内容 】
・ 38(t)戦車 E/F型 ×1
・ 戦車兵フィギュア ×2
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●再販アイテム (旧トライスター製)