イギリス A34 コメット 巡航戦車 (連結キャタピラ付 限定版)
「イギリス A34 コメット 巡航戦車 (連結キャタピラ付 限定版) (プラモデル) (ブロンコモデル 1/35 AFVモデル No.CB35010SP )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の巡航戦車「A34 コメット」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●イギリス陸軍が踏襲してきた「巡航戦車」の思想から脱却し、攻撃力、防御力、そして機動力に優れた汎用戦車として大戦末期に登場した「A34 コメット」を再現、イギリス戦車らしい角張った車体に長砲身砲を装備した、均整の取れたフォルムを再現した内容となっています
●ブロンコモデル社製「イギリス巡航戦車 A34 コメット (4in1)」と「イギリス コメット戦車用 可動キャタピラセット」とを1パッケージとした限定バージョンです
・ 各キットを個別に揃えるよりも、価格的にお得な内容となっています
【 「A34 コメット 巡航戦車」について 】
●1930年代中頃、イギリス軍は戦車を、従来の「重戦車」「中戦車」「軽戦車」という分類ではなく、「巡航戦車」「歩兵戦車」「軽戦車」という3つのカテゴリーに分けて開発、運用することを決定します
●「歩兵戦車」は、歩兵に直協する形で分厚い装甲により敵戦線を突破する役目を持ち、「巡航戦車」は突破した戦線に浸透、戦果の拡大を役目としており、高い機動力を求められました
●このため、「巡航戦車」は装甲が犠牲になっており、第2次世界大戦の開戦時においては最大装甲15mm、大戦の勃発によって装甲が強化されても、その最大装甲厚は30mmというものでした
●独仏戦が開戦して、ドイツ軍と実際に戦闘を行うと、装甲が脆弱な「巡航戦車」は被害が続出、これは戦いの場が北アフリカに移った後も同様の状態となります
●イギリス軍は、この戦訓を反映して6番目の「巡航戦車」である「A15 クルセーダー」から装甲の強化を図りますが、それでも強力なドイツ軍の火力に対抗するのは難しく、その後「巡航戦車」は大型化と重装甲化の道を進むようになりました
●ところが、次期巡航戦車となる「A27M クロムウェル」の開発段階において、イギリス軍はアメリカから汎用性の高い「M4中戦車」シリーズを大量に導入、「走」「攻」「守」のバランスに優れた「M4中戦車」シリーズは高い評価を獲得します
●このため、「A27M クロムウェル」が登場した頃には、イギリス軍の戦車部隊には「M4中戦車」シリーズを潤沢に装備するようになっており、「A27M クロムウェル」は主に機動力を重視する偵察部隊へ配備が中心となります
●もっとも、「タイガー」や「パンター」といった強力なドイツ戦車と遭遇するようになると、「M4中戦車」シリーズでは力不足となり、イギリス軍では「M4中戦車」シリーズの強化を図る一方で、より強力な国産の戦車を求めました
●「A27M クロムウェル」の後継として開発されたのが「A34 コメット」で、この「A34 コメット」では従来の巡航戦車の思想を改め、汎用戦車として「走」「攻」「守」のバランスに優れた戦車となりました
・ 「A34 コメット」では、装甲貫通能力の高さに定評があった「17ポンド砲」をコンパクト化した「50口径 77mm戦車砲」を装備、この砲は「17ポンド砲」と同様に「APDS弾」も使用可能で、「パンター」の主砲に匹敵する能力を持っていました
・ 最大装甲も100mmを超える重装甲を誇り、当時の中戦車としては充分な防御力を備えていました
・ サスペンションは、伝統的な「クリスティー・サスペンション」を装備、エンジンは600馬力の「ロールスロイス・ミーティア Mk.3 エンジン」を搭載し、優れた機動力を有しています
・ ただ、「A34 コメット」の車体は「A27M クロムウェル」を拡大発展させただけのもので、前部ハッチがいびつな形状となってしまい、この点は乗員から不評を買っています
●「A34 コメット」は1944年中頃に生産を開始、同年9月には部隊への引渡しが始まりましたが、実際の運用部隊が車両を変更する場合には、後方に下がった上で訓練期間が必要となるため、部隊の戦場からの離脱を嫌った軍首脳部により「A34 コメット」への変更は進まず、実戦投入は1945年3月にずれ込んでいます
●実戦での「A34 コメット」は将兵から高い評価を獲得しますが、登場時期が遅すぎたため、戦うはずのドイツ戦車部隊はもはや壊滅しており、「A34 コメット」の活躍は限定的なものに終わっています
●戦後は、より大型の巡航戦車「センチュリオン」が確固たる地位を占め、「A34 コメット」は予備役部隊や訓練部隊などへの配備が中心となりました
●「A34 コメット」は、その名の通り、戦史では彗星のように通り過ぎた存在に過ぎませんでしたが、従来の「巡航戦車」のスタイルから脱却した戦車、そして第2次大戦の実戦に参加した最強の「巡航戦車」として、イギリス戦車史における大きな役割を果たしたのでした
【 「イギリス A34 コメット 巡航戦車 (連結キャタピラ付 限定版)」のキット内容について 】
●このイギリス軍の巡航戦車「A34 コメット」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ブロンコモデル社がパーツの細分化によってディテール再現を重視する前に製品化されたもので、現在の同社のニューキットと比べてディテール再現度は劣るものの、1/35スケールのキットとしてはスタンダードなパーツ構成で「A34 コメット」を再現した内容となっています
・ パーツ数を抑えているので、ブロンコ社のキットの中では組みやすいキットと評価できます
●砲塔にスモークディスチャージャーを装備した「戦後型」と、装備していない「大戦型」とを選択して作製することができます
●車体後部のエンジングリルカバーは、1944年時の一体化したタイプと、1945年以降の2分割となったタイプの2種をセット、選択して使用することができます
●「巡航戦車 A34 コメット」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●複雑な面で構成された「A34 コメット」の砲塔形状をパネルごとに分割したパーツ構成で再現、表面上のフック類などのディテールを繊細なモールドで再現しています
●「50口径 77mm戦車砲」の砲身は、左右に分割したパーツで再現
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「同軸機銃」は別パーツ化しています
・ 「砲尾」は9パーツで再現、「照準器」「防危板」「閉鎖器」「閉鎖ハンドル」「操作ハンドル」などを別パーツ化しています
・ 「防盾」は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 「車長キューポラ」は一体成型のパーツで再現
・ 「車長ハッチ」「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 砲塔上の「直接照準器」はエッチングパーツにて再現
・ 「アンテナマウント」は、プラパーツとエッチングパーツとをセット、選択して使用することができます
・ 「ペリスコープ」「吊り下げフック」「ベンチレーター」「消火器」などを別パーツ化
・ 戦後型で装着する「スモークディスチャージャー」は、2本ずつパーツ化しており、ベースへと取り付けます
・ 「サーチライト」は前後及び固定ベースの3パーツで構成
【 車体上部 】
●車体から左右にフェンダーが伸びる「A34 コメット」の車体レイアウトを再現、車体上部の把手やフェンダー支持架などをモールドで再現しています
●車体上部は、フェンダーを含めた一体成型のパーツで再現、後部の側面パネルと戦闘室前面パネルは別パーツとなっています
・ 「操縦手ハッチ」「前方機銃手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」「ベンチレーター」を別パーツ化
・ 「操縦手用視察ハッチ」は2パーツで再現、開閉状態を選択することができます
・ 「前方機銃」は3パーツで構成、完成後も可動させることができます
・ 「前照灯」は前後に分割したパーツで再現、「ライトガード」は1本ずつ個別にパーツ化しています
・ エンジングリルのメッシュを再現したエッチングパーツが付属
・ エンジングリルの上部のカバーは、1944年時の一体化したタイプと、1945年以降の2分割となったタイプの2種をセット、選択して使用することができます
・ 2分割タイプのエンジングリルカバーは、エッチングパーツで再現
・ フェンダー上の「雑具箱」は前後に分割したパーツで再現
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
【 車体下部 】
●「クリスティー・サスペンション」を用いた「A34 コメット」の車体下部構造を再現、独特の2重構造を再現するために側面パネルは別パーツ化しています
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツに側面パネル、後部パネルを貼り付けて作製します
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化
・ 「起動輪」は前後に分割したパーツで再現
・ 「誘導輪」「転輪」は前後に分割したパーツで構成、ハブキャップは別パーツ化しています
・ 「誘導輪」は、プレス式の初期型と、スポーク状の後期型の2種をセット、選択して使用することができます
●後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 「排気ノズル」のない大戦時の状態と、「排気ノズル」が付いた戦後の状態とを選択して作製することができます
・ 「排気ノズル」は3パーツで構成、装備しない場合はエッチングパーツ製の蓋を取り付けます
【 履 帯 】
●履帯は、接地部分に凹みがある、「A34 コメット」用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、1枚ずつに分割した連結可動式履帯となっています
・ 履帯は、パチパチとはめ込むことで連結させます
●エンジングリルのメッシュ、直接照準器、アンテナマウントなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「A34 コメット 巡航戦車」の塗装とマーキング 】
●「A34 コメット 巡航戦車」のマーキングとして、6種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス軍 第7機甲師団 (ドイツ / 1945年4月)
・ イギリス軍 第11機甲師団 (北ドイツ / 1945年3月)
・ イギリス軍 第11機甲師団 (ベルギー / 1945年3月)
・ イギリス軍 第11機甲師団 (ドイツ / 1945年4月)
・ イギリス軍 香港駐留部隊 (香港 / 1957年)
・ フィンランド軍 機甲訓練旅団 (1961年~1980年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号、パーソナルネームなどを再現したデカールが付属しています
【 「イギリス A34 コメット 巡航戦車 (連結キャタピラ付 限定版)」のパッケージ内容 】
・ A34 コメット 巡航戦車 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●スポット生産品
---------------------------------------------------
【 「イギリス A34 コメット 巡航戦車 (連結キャタピラ付 限定版)」のワンポイント 】
●本キットは、履帯パーツに「イギリス コメット戦車用 可動キャタピラセット」を新たにセットしたものです
●この履帯は、連結可動式というのがウリなのですが、各履帯のダボとダボ穴が浅く、強度の関係から切れやすくなっています
●せっかくの連結可動式の履帯ですが、接着連結式として組み立てることをお勧めします