陸上自衛隊 61式戦車 (改修型)
「陸上自衛隊 61式戦車 (改修型) (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.FM046 )」です
●陸上自衛隊の国産初の主力戦車「61式戦車」の「改修型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●アメリカ製の戦車を参考としつつも日本独自のデザインと技術によって誕生した「61式戦車」を再現、無骨なスタイルながら細部では日本らしい繊細さも併せ持つ独特のフォルムを再現した内容となっています
●本キットでは「61式戦車」の「改修型」を再現しており、予備燃料タンクの固定具が複雑な形状となり、砲塔に発煙弾発射装置を装備した状態を再現しています
●また、赤外線投光器を装備した「夜戦型 (61式戦車B型)」を作製することもできます
●ファインモールド社製「陸上自衛隊 61式戦車」をベースに、「改修型」及び「夜戦型」を再現するために、発煙弾発射機、赤外線投光器、砲塔後部の雑具箱、予備燃料タンク固定具などの新規パーツを追加したバリエーションキットです
【 「陸上自衛隊 61式戦車 (改修型)」のキット概要 】
●徹底したリサーチと、高い成型技術により細部再現を追及しながらも、スケールモデルとしてパーツ数を抑えた内容
●発煙弾発射機を装備した「改修型」と、投光器及び発煙弾発射機を装備した「夜戦型」とのコンバーチブル
●乗員ハッチは開閉状態を選択可能
●車長ハッチから見える範囲の銃塔内部を再現
●ペリスコープ、ビジョンブロック、前照灯のガラス部などはクリアパーツで再現
●フェンダー支持架、排気管カバーを再現したエッチングパーツが付属
●エンジングリルはルーバーのみ再現、その上部の異物混入防止ネットを再現する場合は「61式戦車用 エッチングパーツ」が対応
●履帯は、一部連結式
●塗装例は陸上自衛隊仕様4種、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属
【 「61式戦車の改修」について 】
●1961年、戦後初の国産戦車である「61式戦車」が制式化されました
●「61式戦車」は、当時のアメリカ戦車を参考としながらも、戦時中の日本の戦車技術をベースに日本の国情に沿った戦車として開発され、操縦性能や防御力などの諸点で問題点を抱えていましたが、戦後の空白期間を埋める戦車として高い評価を得ています
●東西冷戦下という国際情勢の下、「61式戦車」は最もソ連軍による脅威が懸念されていた北海道に展開する部隊に優先して配備が行われ、「74式戦車」の配備が始まると、順次本州以南の部隊へも配備を進めました
●主力戦車の位置づけが「61式戦車」から「74式戦車」へと移行する中、1970年代頃から「61式戦車」に改修を施しています
●まず、行われたのが予備燃料タンクの固定具の変更で、当初はシンプルな構造でしたが、構造は複雑となり、その代わりにタンクの保持能力は大きく向上したようです
・ この予備燃料タンクの固定具の構造は「74式戦車」と似ており、恐らく「74式戦車」が制式化された直後に改修を実施したものと思われます
●次に1982年になると「74式戦車」と同型の「74式発煙弾発射機」を砲塔後部へと装着し始め、これは車検などの機会に順次実施されていったため、一斉には変更されておらず、1986年頃までにほぼ全車がこの仕様に変わっています
・ 「発煙弾発射機」の設置によって砲塔側面の「砲塔工具箱」は、砲塔上部に装着位置を変更しています
・ 「発煙弾発射機」の装備によって「61式戦車」は迫力を増した姿となりましたが、トラベリングロックの関係から、砲塔を後ろ向きして走行することが多い「61式戦車」の操縦手からは、視界を遮るものとして不評でした
●改修ではありませんが、陸上自衛隊では1985年に新規の塗装を制定、戦闘車両は従来のOD色の単色塗装から、緑色を基調とした色と茶色を基調とした色の2色迷彩へと変更、これは全陸上自衛隊車両一斉に新たな塗装が行われています
・ この迷彩塗装は、だいたいのパターンは定まっているものの、基本的には各中隊の整備班による手作業で、車両ごとに微妙にパターンが異なります
・ 迷彩塗装の制定時には、一旦部隊マークは廃止されましたが、直ぐに復活しています(「第1戦車大隊」や「第1機甲教育隊」など、当時には部隊マークがなかった部隊もあります)
●このような改修とは別に、「夜戦型 (61式戦車B型)」として、防盾に大型の赤外線投光器を装備したタイプも登場、このタイプは投光器だけではなく、防盾形状の変更や交流発電機の搭載による塔後部の雑具箱の大型化などにより、通常型とはかなり仕様が異なりました
・ この投光器は「69式暗視照準投光器」という制式名称から察すると、1969年頃から生産が行われたようで、「74式戦車」が装備する投光器とは別物になります
・ 「夜戦型」は生産数が少なく、各戦車大隊に1両程度を配備、装備していない部隊もありました
【 「陸上自衛隊 61式戦車 (改修型)」のキット内容について 】
●この陸上自衛隊の「61式戦車」の「改修型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ファインモールド社のマニアックなまでのリサーチ力と造型技術を用いて「61式戦車」を再現、全体のフォルムを捉えながら、意外に細かな造りとなった実車構造を同社ならではの繊細なモールドと的確なパーツ分割で再現しています
●砲塔部分の削ぎ取ったような鋳造肌、車体各部の溶接跡、前面の点検パネルのボルトなど、「61式戦車」の特徴を細かく丁寧に再現しながらも、スケールモデルとして適度な省略と強弱をつけたモールド表現を交え、かつ、パーツ数を抑えて模型本来の作る楽しさと完成後の精密感を両立させることができる内容となっています
●「61式戦車」の「改修型」と、「夜戦型」(改修後の車両)とを選択して作製することができるコンバーチブルキットです
●「61式戦車 改修型」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●後部のバスル部を長く設けた「61式戦車」の砲塔形状を再現、実車に沿って表面には削ぎ落としたような鋳造肌をモールドで再現しています
●「54口径 90mm戦車砲」の砲身は、左右に分割したパーツ構成となっています
・ 「防盾」は、前後に分割したパーツで再現、防塵カバーを付けた状態を再現しています
・ 砲身の基部には、防塵カバーを再現しています
・ 「夜戦型」の「69式暗視照準投光器」は、各パネルを箱組み状に貼り合せて作製、前面のガラス部はクリアパーツで再現
・ 投光器のベースは4パーツで再現、「夜戦型」専用の防盾パーツへと取り付けます
●砲塔は、上下に分割したパーツで再現
・ 「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して作製することができます
・ 砲塔側面の「手摺り」は、左右それぞれ1パーツで再現、砲塔パーツのダボ穴となる窪みに接着します
・ 「アンテナ」は、基部から先端部までを一体成型のパーツで再現しています
・ 「夜戦型」に装備する砲塔側面のボックスは前後に分割したパーツで再現、説明書に記載している装着位置に従って砲塔に取り付けます
・ 砲塔後部の「雑具箱」は前後に分割したパーツで再現、蓋は閉まった状態となっています
・ 「74式発煙弾発射機」は、1本ずつ個別にパーツ化、固定ベースへと取り付けます
【 銃 塔 】
●銃塔は、上部に盛り上がった特徴的な形状を再現、ハッチを開放状態とすると露出してしまう内部構造は1パーツながらも雰囲気良く再現しています
●銃塔は、銃塔本体と底部とに分割したパーツ構成となっています
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して作製できます
・ 「測距儀」は、前面部分が銃塔本体とは別パーツとなっており、測距儀の対物レンズ部分を開口しています
・ 「ペリスコープ」はクリアパーツで再現
・ ビジョンブロック部はヌケた状態で開口、これにクリアパーツのビジョンブロックを取り付けます
●銃塔の内部には、一体成型のパーツで測距儀やペリスコープなどの内部機能を再現しています
●銃塔に装備する「M2重機関銃」は、揺架も含めて一体成型のパーツで再現しています
・ 「コッキングハンドル」、機関部の「蓋」は別パーツとなっています
・ 銃架は1パーツで再現、これに弾薬箱受けと、リンク排出口を取り付けます
・ 「M2重機関銃」は、任意の角度に固定して接着します
【 車体上部 】
●車体上部は、傾斜した装甲で覆われた「61式戦車」としての車体レイアウトを再現、各パネルの接合部分には凹状のモールドで溶接跡を再現しています
●車体上部は、後部パネルを除いて一体成型のパーツで再現
・ 予備燃料タンクを装着する部分を別パーツ化して再現
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して作製することができます
・ エンジングリルは、ルーバー部分を再現しており、その上の異物混入防止ネットは省略しています(異物混入防止ネットは、ファインモールド社製「61式戦車用 エッチングパーツ」に含まれています)
・ 「排気管」は、前部の装甲カバーも含めて一体成型のパーツで再現、排気管カバーはエッチングパーツとなっています
・ 各ハッチの「把手」は個別にパーツ化
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
●「前照灯」及び「赤外線灯」、「管制灯」、「ホーン」をそれぞれ独立したパーツで再現しています
・ 前照灯のガラス部はクリアパーツで再現
・ 各ライトガードは、左右のパーツと、滑り止め部分を含めた上部の3パーツで構成、その薄さと構造を再現しています
●フェンダーは、前部から最後部までを一体成型のパーツで再現、中央部分はスポンソン下部の蓋を兼ねています
・ フェンダー前部の「フェンダー支持架」はエッチングパーツとなります
【 車体下部 】
●「61式戦車」の底部が角張った状態の舟形となる車体下部形状を再現、緊急脱出口などの底面のディテールもパーツ上の彫刻で再現しています
●車体下部は、箱組み状に各パネルを貼り合わせて作製します
・ 「サスペンションアーム」「ダンパー」「ショックアブソーバー」は別パーツ化して再現
・ 「下部転輪」は、転輪本体とリムの部分との2パーツで再現、ホイール部分のリムが内側に突き出した形状を再現しています
・ 「誘導輪」は前後に分割したパーツで再現、履帯との接触部分の肉抜き穴を再現しています
・ 「牽引フック」は、フック本体とフックを支えるステーの2パーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、接地パッドが付いていない状態の「61式戦車」用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、一部連結式となっています
・ 上下の直線部は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は履板1枚ずつに分割したパーツで構成しています
・ 上部転輪に支えられた弛みを再現しています
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「61式戦車用 履帯 (可動式)」がこれに対応しています
●ペリスコープ、ビジョンブロック、前照灯や投光器のガラス部などを再現したクリアパーツが付属
●排気管部分のメッシュ、フェンダー支持架などを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「61式戦車 改修型」の塗装とマーキング 】
●「61式戦車 改修型」のマーキングとして、陸上自衛隊仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第12戦車大隊 第2中隊 (相馬原駐屯地)
・ 第13戦車大隊 (日本原駐屯地)
・ 第1機甲教育隊 第1陸曹教育中隊 (駒門駐屯地)
・ 第10戦車大隊 第2中隊 (今津駐屯地)
●説明書の塗装例に基づく、部隊マーク、陸上自衛隊マーク、車体番号、部隊表示、車台番号などを再現したデカールが付属しています
【 「陸上自衛隊 61式戦車 (改修型)」のパッケージ内容 】
・ 陸上自衛隊 61式戦車 (改修型と改修後の夜戦型とのコンバーチブル) ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
●2016年 一部新金型