ガ島航空戦 上 ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月-10月
「ガ島航空戦 上 ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月-10月 (本) (大日本絵画 航空機関連書籍 No.23187 )」です
●太平洋戦争時のガダルカナル島上空における日米の航空戦を克明に描いた戦記です
●記憶の思い込みや感情に流されず、一次資料を分析・照合し冷徹に戦闘記録の解析を続ける「梅本弘」氏が書き下ろした「ガ島航空戦」の実態、本書「ガ島航空戦 上」では、アメリカ軍がガダルカナル島に上陸した1942年8月から、「南太平洋海戦」が終了した1942年10月までのガダルカナル島を巡る航空戦の様子を、淡々と時系列を追いながら、次第に手に汗が溜まってくる当時の切迫した状況を描きます
●太平洋戦争時、アメリカ軍が「ガダルカナル島」へと上陸を開始すると、「ガ島」進攻の中継ぎとなる航空基地が整備されるまでの間、基地防空、船団の上空警戒、偵察、飛行場簿暮攻撃と八面六臂の活躍をしていた「水戦」「零観」などの戦闘記録を数多く掲載、これら水上機をはじめ、「零戦」「陸攻」「艦爆」「大艇」などの空戦記録を「一例」ごとに日米両軍の一時資料からの損害記録で照合、両軍ともに過大に流れやすい撃墜戦果報告の実数、実態を追究します
【 「ガ島航空戦 上 ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月~10月」の概要 】
●1942年8月、それまで無敵の進撃を行っていた日本軍に対し、アメリカ軍は反攻の一手として日本軍が進出していたソロモン海域のガダルカナル島に上陸を開始しました
●このアメリカ軍のガダルカナル島の上陸以降は、日米の戦いの焦点はガダルカナル島を巡るものとなり、両軍入り乱れての激戦が繰り広げられます
●ガダルカナル島での戦いは両軍に激しい消耗を強いることになり、国力で劣る日本にとって「ミッドウェー海戦」以上に致命的なダメージを受けてしまい、この戦い以後の日本軍は防戦一方となってしまいます
●この太平洋戦争の分岐点となったガダルカナル島の戦い、同島を巡る海戦と陸戦に関しては、すでに多くの戦史書籍が刊行されています
●しかしながら、ガダルカナル島を巡る航空戦を包括的に記録した書籍は未だ出版されておらず、「日本軍機はラバウル基地から長駆ガダルカナル島へと出撃して戦果を挙げたが、損害も大きかった」というような漠然としたイメージしか思い浮かびません
●本書「ガ島航空戦」は刊行にあたり、日本海軍航空隊と、米海軍および海兵隊の航空隊の一次資料を駆使し、ガダルカナル島上空の空戦ひとつひとつのすべてを検証、つまり日本海軍航空隊の所属機が撃墜したと報告している米軍機が本当に落ちているのかどうか、米軍資料での裏付け作業を行い、これまで不鮮明な記述でしかなかったガダルカナル島周辺空域での日米の航空戦の実像を初めて明らかにします
●「ガ島航空戦」の「上巻」では、約6ヶ月に渡って行われたガダルカナル島上空の航空戦の前半部分、1942年8月から1942年10月までの間の戦いを収録
●ガダルカナル島の飛行場を奪った米軍を攻撃する零戦と陸攻の戦いを中心に、船団掩護などに活躍した水上機部隊の記録にも多くのページを割いています
●巻末には、時系列に従い、日米ともに機種、所属部隊、パイロット名なども記した詳細な「損害機リスト」を掲載、本文の理解を助けてくれます
●太平洋戦争の趨勢を決定したガダルカナル島の戦い、その航空戦を日本軍側から見ながらも、客観的かつ包括的に実態を解き明かした内容となっています
【 「ガ島航空戦 上 ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月~10月」の内容目次 】
・ はじめに 零観隊の奮戦、ガ島への補給を支えた水上機
・ 目次
・ 「2式水戦」飛行場不要の戦闘機、島嶼攻略戦の尖兵
●昭和17年8月 米軍ガ島上陸
・ 8月、「空の要塞」を迎え撃つ水上戦闘機
・ 精強「台南空」零戦隊、次々と撃墜戦果を挙げる
・ 新鋭、「零戦32型」「2号艦戦」がラバウルに到着
・ 2式水戦、体当たり、遂に「空の要塞」を仕留める
・ 米軍のガ島侵攻直前、ラバウルに増援部隊が到着
・ 浜空のツラギ基地壊滅、生き残り水戦、「B-17」を撃墜!?
・ 鎧袖一触、精鋭「台南空」の面目躍如、ガ島上陸船団空爆
・ 新鋭「2号零戦」、ラバウル空襲で「B-17」を撃墜
・ 雷撃隊、壊滅的打撃を受ける
・ 「零戦32型」、ラバウル防空でまたも「B-17」を撃墜
・ 笹井中隊、オーストラリア空軍の「P-40」を痛撃
・ 台南空、またも「B-17」を撃墜
・ 特設水上機母艦「聖川丸」ギゾ派遣隊、船酔いで到着
・ 一木支隊の攻撃失敗、そして「カクタス」戦闘機隊との初対決
・ 刻々と近づく日米空母機動部隊決戦の時
・ 第2次ソロモン海戦開幕、「龍驤」零戦隊の奮戦
・ 「瑞鶴」「翔鶴」攻撃隊、「エンタープライズ」を襲う
・ 「カクタス」空軍、日本軍増援部隊を撃退
・ ラビ、ガ島で零戦7機を喪失、搭乗員6名が戦死
・ 未帰還5機、さらに零戦隊は敗北を重ねる
・ 艦隊零戦隊、陸上基地に派遣される
・ 雲の中、弱肉強食の乱戦。アエロコブラと艦隊航空隊の零戦は空戦が不得手
・ 8月、零戦隊の勝利と、日本海軍航空隊の敗北
●昭和17年9月 日本軍、ガ島に逆上陸
・ 雨季到来。悪天候の中、ガ島飛行場を空陸から猛攻
・ 「全水戦隊及び観測機隊は3分間待機とせよ」神川丸水戦隊の初邀撃戦
・ 零戦隊、ガ島上空で「ワイルドキャット」4機を屠る
・ 「97大艇」、ついに宿敵「空の要塞」B-17を撃墜
・ ワイルドキャットを着々と減らしてゆく零戦隊の活躍
・ 大地を揺るがす八十番の炸裂。邀撃のグラマン4機、どん底のカクタス空軍
・ 息を吹き返すカクタス空軍、「サラトガ」戦闘機隊「VF-5」の来援
・ 陸攻を襲う「サラトガ」戦闘機隊
・ 川口支隊の第一次飛行場攻撃、失敗
・ 水戦、「SBD艦爆」を撃墜、ガ島飛行場は未だ米軍の掌中にあり
・ 水戦3機、全機未帰還、「2式陸偵」も未帰還、ガ島飛行場偵察失敗
・ 「飛行隊の全力を挙げて敵航空戦力を撃滅せよ」水上機21機の薄暮攻撃
・ 第2次大戦中もっとも効果的な雷撃、伊19潜、空母「ワスプ」撃沈
・ レカタ基地、遂に発見される。悪天候の中で活躍する水上機部隊
・ レカタ基地、対空火器の残弾なし、零観、「SBD艦爆」を追い詰めて着水させる
・ R方面航空部隊に増援、「國川丸」ショートランドに向かう
・ ポートモレスビー攻略部隊に空中補給を実施
・ 水戦隊の奮戦。ショートランド上空で「空の要塞」を撃墜
・ 新兵器、空対空爆弾による攻撃。重爆と水上機との戦いは続く
・ R方面航空部隊、またも「空の要塞」を痛撃
・ 天候回復、ガ島攻撃を再開、精鋭三空零戦隊出撃
・ 二空零戦21機、ブカ基地へ進出、陸攻被害続出、対策会議開催
・ 零戦隊、邀撃戦闘機掃滅に飛来、ようやく「F4F」を1機撃墜
・ 9月、零戦隊は辛勝、攻撃機はまたも惨憺たる大損害をこうむる
●昭和17年10月 南太平洋海戦
・ ガ島への「鼠輸送」再開。駆逐艦での挺身輸送作戦成功
・ 8機撃墜。悪天候に阻まれつつも大成功に終わった航空撃滅戦
・ 戦闘機掃討、一転して未帰還零戦8機の惨敗
・ 「日進」への連続空襲と戦う上空直衛隊
・ 零観、「空の要塞」を撃墜。水上機隊「日進」掩護を完遂
・ 水上機と「ホーネット」攻撃隊との血戦死闘
・ ラバウル零戦隊、「B-25」「B-17」を相次いで撃墜
・ 六空の増援部隊、ブイン基地に到着
・ 第2次「日進」輸送、切れ目のない上空直衛でガ島へ
・ 「打ち勝つには粘り強さが必要だ」22機対8機。零観隊、満身創痍の掩護
・ 帰港する「日進」、水上機隊の血戦死闘はつづく
・ 戦果確認機を痛撃、「B-17」夜間空襲の報復を果たす
・ 直衛水上機隊全滅、44機対4機の絶望的劣勢での空戦
・ 零戦隊、新掩護戦術で撃墜戦果を挙げる
・ ヘンダーソン基地、大火災中、挺身攻撃隊の艦砲射撃
・ 不死身のカクタス空軍、1分間で陸攻3機撃墜
・ 零観、3連続出動で上空直衛を実施
・ 15日、揚陸地点上空の大空中戦、零観、佐久間一飛曹の闘魂
・ 輸送船、炎上中、零戦隊、燃料切れまで掩護を続行
・ 「VF-5」、最後のガ島航空戦
・ 16日、陸軍への揚陸物資、空襲で灰燼と化す
・ GR23所属部隊による撃墜戦果報告、1942年8月20日から10月16日
・ 2航戦「隼鷹」艦攻隊、ルンガ沖で全滅
・ 水上機対「SBD艦爆」、レカタ襲撃、双方1機を失い相討ち
・ 惨敗、分離して各個撃破された戦爆編隊
・ 六空、二号零戦隊の鮮やかな勝利
・ 「日米決戦の戦機は熟せり」ガ島上空の鍔迫り合い
・ 10月21日、台南空トップエース、太田敏夫最後の撃墜戦果
・ 六空零戦隊「ガ島上空制圧敵航空兵力撃滅」を実施
・ 降雨の中で行方不明、グッドイナフ島陸偵掩護
・ 総攻撃失敗、またも大損害、零戦13機喪失、撃墜は1機
・ サンタクルーズ沖、南太平洋海戦
・ 「瑞鳳」零戦隊、「エンタープライズ」攻撃隊を奇襲
・ 「ホーネット」攻撃隊、直衛零戦を突破「翔鶴」に命中弾
・ 第1航空戦隊、第1次攻撃隊「ホーネット」を痛撃
・ 1航戦の第2次攻撃隊「エンタープライズ」「ホーネット」を攻撃
・ 第2航空戦隊、空母「隼鷹」からも攻撃隊が発進
・ 零戦搭乗員とアエロコブラパイロットの船旅
・ 未明のレカタ基地襲撃、離水中の零観2機、水戦1機、被弾炎上沈没
・ あとがき
●ガ島航空戦、航空機損害リスト
【 「ガ島航空戦 上 ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月~10月」奥付 】
●著者 : 梅本 弘
●版型 : A5版 / ハードカバー
●全304ページ / モノクロ
●発行日 : 2016年7月24日
●ISBNコード : 9784499231879