アメリカ 自走榴弾砲 M7 プリースト
「アメリカ 自走榴弾砲 M7 プリースト (プラモデル) (アカデミー 1/35 Armors No.13210 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の自走榴弾砲「M7 プリースト」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●アメリカの合理主義を象徴するかのように広い戦闘室を持った自走榴弾砲「M7 プリースト」を再現、開口部の広いオープントップ車両としての砲のメカニカルな構造と、同車ならではの砲弾を満載した姿を再現した内容となっています
・ 「M7 プリースト」の車体バリエーションのうち「M3中戦車」の車体をベースとした「初期型」を再現しています【 「自走榴弾砲 M7 プリースト」について 】
●1939年に第2次世界大戦が勃発し、弱小な戦力しか持っていなかったアメリカ陸軍は来るべき参戦に備えて軍備の拡張と装備の充実化が急ピッチで進められました
●これには、緒戦の戦いで勝利したドイツ軍の電撃戦による部隊運用が参考とされ、それまでほとんど未整備であった諸兵連合の機甲部隊の運用方法を重視、機甲部隊としての戦車部隊の編成と、それを支援する機甲歩兵、機甲砲兵の整備が行われます
●1941年10月(アメリカの参戦は同年12月から)、機甲部隊に配属される砲兵部隊用として「105mm榴弾砲 M2A1」を搭載する自走砲の開発が開始されました
●この自走砲の車体は、当時の主力戦車として生産が行なわれていた「M3 中戦車」をベースとし、試作と試験を繰り返しながらもアメリカらしい割り切りと工業力の高さから開発は順調に進み、1942年4月に「M7」として制式化されています
●この自走榴弾砲「M7」は、ドイツ軍の自走榴弾砲と比べて開口部が広く、防御能力としては劣りましたが、砲の操作が行い易いために発射速度も早く、携行弾薬も66発と、同種のドイツ車両(「ヴェスペ」は32発、「フンメル」は18発)よりも格段の差が有りました
●同車は自衛用として、戦闘室から若干突き出したような状態で「M2重機関銃」用のリングマウントを配置、このマウントの形態から「プリースト」(司祭)とも呼ばれました
●「M7 プリースト」は主に機甲師団内の野戦機甲砲兵に配属され、北アフリカ戦から実戦に参加、その使い勝手の良さなどから高い評価を受け終戦時まで活躍しました
●また、イギリス軍にも供与が行われ、同様に高い評価を得ましたが、同軍内での弾薬供給の関係から「25ポンド砲」の搭載が望まれ、後に同砲を「M7 プリースト」と同じ方式で自走砲化した「セクストン」が登場、主力自走榴弾砲の地位を占めて行きます
●「M7 プリースト」は、生産時期による外観の違いから以下のような「前期」「中期」「後期」の3タイプに大別することができます
・ 初期型は、「M3中戦車」の車体がベースとなっており、車体前部のリングマウントの装甲カバーの高さが短く、戦闘室側面、後面の折畳み装甲は無し
・ 中期型は、車体を「M4 中戦車」に変更、リングマウントの装甲カバーが下に延長され、折畳み装甲が付く(サスペンションはサポートローラーが上に付くタイプと、アーム式となるタイプとが存在)
・ 後期型は、デファレンシャルカバーがワンピース型となり、サスペンションのサポートローラのアームも斜めとなった後期型のタイプを使用
●ただし、「M7 プリースト」は後方からの支援任務という特性から消耗率は低く、各生産型での性能差も無かったので「初期型」「中期型」も大戦を通じて継続使用されています【 「自走榴弾砲 M7 プリースト」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の自走榴弾砲「M7 プリースト」の「初期型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●アカデミー社の1/35シリーズのフォーマットに則り「M7 プリースト 初期型」を再現、全体のフォルムを捉えながら同社スタンダードとなる造形力により105mm砲の構造と車体内部、各部の溶接跡、ボルト止め構造、「M2重機関銃」と銃架などのディテールが再現されています
●「M7 プリースト 初期型」は、「戦闘室内部」「操縦室内部」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 戦闘室内部 】
●「105mm榴弾砲M2A1」の砲身は前後分割式となっています
・ 上部の平衡器(?)は左右分割式で、砲身部を挟み込むように取り付けます
・ 砲尾は砲尾本体と閉鎖器の2分割式です
・ 揺架は左右分割式で先端部は別パーツです
●砲架は左右のブロックで構成されています
・ 砲架下部の駐退複座装置はコイル状の本体とシリンダー軸で構成
・ 防盾は左右分割式です
●戦闘室内部は戦闘室床面が再現されており、これを車体下部に接着して内装及び弾薬ラックを取り付けます
・ ライフルラックは、「M1ガーランドライフルが付いた状態でパーツ化されています
・ 各座席、前方の機銃弾薬架、消火器がパーツ化
・ 弾薬ラックは左右各1パーツで再現されており、これにブロックごとに再現された砲弾ケースを取り付けます(全ての砲弾ラックに砲弾ケースが挿された状態となります)
【 操縦室内部 】
●操縦室内部は、床面パーツにトランスミッション、座席などを取り付ける構成となっています
・ 操縦室内部の前方はドライブシャフトカバーが付いた状態となります
・ 操縦席部分は、座席、操行レバー、各ペダル、メーターパネルがパーツ化
【 車体上部 】
●車体上部は、各パネルを貼り合せる箱組み方式となっています
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 予備履帯は、「T51」履帯が1枚ごとにパーツ化され、これに予備履帯ラックを被せます
・ ライトガードはプラパーツで再現
●リングマウントは1パーツ、機銃架は4パーツで構成されています
・ 「M2重機関銃」は本体、機関部の蓋、コッキングハンドル、グリップ部、照門、押し金の6パーツで再現
・ 弾薬箱は前後分割式で蓋は別パーツ
・ 弾薬ラックは3パーツで構成され、弾薬箱の固定装置も再現されています
【 車体下部 】
●車体下部は、底面と側面、スポンソン部が一体成型され、デファレンシャルカバーと後部パネルは別パーツです
・ サスペンションユニットはボギー部とサスペンション部とが分割され、転輪も含めて各10パーツで構成(全6ユニット)
・ サスペンション表面は、縦方向に4本のラインが付いたタイプと、4本のラインに横方向のラインが入ったタイプとが付属、選択して使用します
・ 下部転輪、誘導輪はスポーク式のタイプ
・ 起動輪は、歯の内側に肉抜き穴が付いたタイプとなっています
●デファレンシャルカバーは3ピースタイプを再現
・ カバー本体は一体成型で、これにボルトが再現されたフレーム部を取り付けます
●後部パネルは一体成型です
・ 後部のドアは別パーツです
・ エアクリーナーは角型タイプで、各5パーツで構成
・ 牽引装置は前後方向に3分割されています
【 履 帯 】
●履帯は、ラバー製のベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、ラバーで覆われた「T51」履帯(フラットラバータイプ)が再現されており、モデルカステン製「M4シャーマン戦車用履帯 T51型 (可動式)」がこれに対応しています
●アクセサリーパーツが付属しています
・ ジェリカン2種 ×各1
【 塗装とマーキング 】
●「M7 プリースト 初期型」のマーキングとして、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ陸軍 第2機甲師団 (シシリー / 1943年1月)
・ アメリカ陸軍 第2機甲師団 (ノルマンディ / 1944年)
・ イギリス陸軍 第1機甲師団 第11騎砲兵連隊 (エル・アラメイン / 1942年)
・ 自由フランス軍 第2機甲師団 (フランス / 1944年9月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車台番号、パーソナルネームなどを再現したデカールが付属しています
●2007年 一部新金型