フォード GPA 水陸両用車
「フォード GPA 水陸両用車 （プラモデル） (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.336 )」です
●「フォード GPA 水陸両用車」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の小型水陸両用車「フォード GPA」を1/35のスケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●「ジープ」をベースとした水陸両用車両である「フォード GPA」を再現、浮航能力を持たせるために舟型のボディを持った独特のフォルムを表現した内容となっています【 「フォード GPA」について 】
●1940年6月、アメリカ軍に「ジープ」の原型となる「バンタム」社の試作車が納入され、同車をベースとした水陸両用車両の案が計画されました
●しかし、当時は急ピッチで「ジープ」の開発を行っているところであり、実際にメーカーへ正式な要請が行われたのは1941年に入ってからとなります
●この車両の開発にあたっては、「マーモン・ヘリントン」社と「フォード」社の2社が担当し、「マーモン・ヘリントン」社では当時の「ジープ」の試作車両「ウィリス MA」を、「フォード」社では同様に「フォード GP」をベースとして舟型ボディを装備した試作車をそれぞれ完成させます
●この2種の試作車は軍の審査を受け、結果的に「マーモン・ヘリントン」社の試作車が残りましたが、生産能力の観点からこの「マーモン・ヘリントン」社の試作車を元に「フォード」社が以後の開発を行うこととなり、改良の結果1942年4月に制式採用され「フォード GPA」という名称が与えられました
●「フォード GPA」は、「ジープ」の「フォード」社版である「フォード GPW」のシャーシをベースとして舟型のボディを装備、その形状と大型化した車体により水上での安定性は高いものとなっています
●ただし、シャーシ、エンジンが「ジープ」と同じなのに対してこの舟型のボディは車重が増加してしまい、陸上での機動力は「ジープ」に劣るという欠点も持っていましたた
●同車は、シシリー戦やイタリア戦線に投入され活躍しましたが、陸上機動力の点で将兵からの評判は芳しく有りませんでした
●また、イタリア戦線や西部戦線では河川自体が少なく、連合軍では河川の渡河には浮橋を用いることがほとんどで、さらに海岸での上陸作戦時においては波の影響から小型の「フォード GPA」は運用し難いことから、「フォード GPA」の水陸両用性能を活かす機会は限られたものでした
●それにより、大型の水陸両用車両「DUKW」（「フォード GPA」と同じ設計者が製作）が部隊に配備され始めると、「フォード GPA」は2次的な役割が中心となり、生産は1943年に終了します（生産合計は12700台余り）
●このように、アメリカ軍将兵にとって「フォード GPA」の評価は決して良いものとは言えませんでしたが、それに対して「フォード GPA」を非常に高く評価したのがソ連軍です
●地勢的に河川が多く、浮橋などの渡河設備を十分に装備していなかったソ連軍にとって水陸両用車両は喉から手が出る程に切望されていた存在であり、「フォード GPA」はレンドリース車両としてソ連軍へと大量に供与されました
●元々、「ジープ」の機動性能を高く評価（戦後のプロパガンダでこのことは封印されてしまいました）していたソ連軍にとって、機動性能が若干低下しながらも水陸両用機能を持つ「フォード GPA」は将兵及び用兵的に絶大な支持を得ており、生産が終了した1943年以降も各戦線で広く愛用されました
●1944年のソ連軍の「ドニエプル強行渡河作戦」において「フォード GPA」は大量に使用されて活躍、この活躍などを受けて戦後では自国で「フォード GPA」のコピー版の生産を行っており、「フォード GPA」は異国の軍においてその本領を発揮したのでした
【 「フォード GPA 水陸両用車」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の小型水陸両用車「フォード GPA.」を再現したプラスチックモデル組立てキット
●タミヤらしいカッチリとしたシャープなモールドとパーツ数を抑えて「フォード GPA」を表情豊かに再現、ベースとなった「アメリカ 水陸両用車 フォード G.P.A.ジープ」のキットの美点を継承しながら、エンジングリルのメッシュ等を再現したエッチングパーツなどを追加することにより、現代風に「フォード GPA」の魅力とディテールとを更に引き出した内容となっています
●フィギュアは、渡河作戦や上陸作戦時などの戦場における乗員及び搭乗兵へと変更、緊迫感溢れる活き活きとしたフィギュアにより、ジオラマやビネットへの展開、そして単品作品だけでも車両とフィギュアとが織り成す戦場のワンシーンに思いを馳せることができるでしょう
●タミヤ社製「アメリカ 水陸両用車 フォード G.P.A.ジープ」をベースとして、付属するフィギュアを変更、エンジンルーム内部、エンジングリルのメッシュを再現したエッチングパーツなどを追加したバリエーションキットとなります
●「フォード GPA.」は、「車体下部」「車体上部」「キャビン部」の3ブロックで構成されています
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ型の一体成型されたパーツで構成、側面には特徴的なプレス模様がモールドされています
・ リーフ式サスペンションは、車体下部パーツに一体成型されています
・ 前後のデファレンシャルは各1パーツで構成されています
・ ショックアブソーバーは別パーツ化して再現されています
・ 水上推進用のスクリュー、推進軸、舵は別パーツ化して再現
・ タイヤは、本体、裏面内側の2分割式で、内蔵させる車軸パーツにより、回転可動式とすることができます
【 車体上部 】
●車体上部は、前部と後部の2分割式です
・ 船の構造に準じるキャプスタン、固定用のロープフックなどが別パーツにて再現
・ 排気管は、排気管本体とカバー部で構成されています
・ 前照灯のガラス部はクリアーパーツとなっています
・ エンジングリルのメッシュを再現したエッチングパーツが付属、グリルカバーは別パーツです
・ 前部の波除けは可動式です
・ ロープなどを引き寄せるためのフックがパーツ化されています
・ 側面のグリルを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 前照灯は前後分割式で、前部のガラス部はクリアーパーツです
・ ライトガードはプラパーツです
●エンジンルーム内部が再現されています
・ エンジンルーム内部は、内壁とエンジンの主要躯体とが一体成型され、これにファンベルト、ラジエターなどのパーツを取り付けます
・ エンジンルームのハッチは別パーツとなっており、開閉状態を選択することができます
●フロントウィンドーはクリアーパーツで、上下可動式とすることができます
・ ウィンドーの枠、ワイパーがモールドされています
【 キャビン部 】
●キャビン部は、側面を除いてバスタブ式に成型されています
・ 座席は、腰掛け部と背もたれとの2分割式です
・ 運転席部分の各種レバー類がパーツ化
・ メーターパネルの各メーターを再現したデカールが付属しています
【 フィギュア 】
●ドライバー1体、搭乗兵2体の合計3体のフィギュアが付属しています
・ 渡河作戦時などにおいて「フォード GPA」に乗って進む緊張感あるシーンが表現されています
・ 服装は、「M1941野戦服」を着用、布製レギンスを履き、ヘルメットを被っている姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、服の縫い目やレギンスの紐などの細部は繊細なモールドで彫刻されています（服の皺は、従来のタミヤ社製フィギュアと比べてパターンが細かく、エッジが立った彫刻となっています）
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足のパーツ構成で、マガジンポーチ類が一体成型されています
●フィギュアのポージングについて
・ ドライバーのフィギュアはハンドルを両手で持って操縦しているポーズ
・ 搭乗兵のフィギュアの1体は、助手席に座り、サブマシンガンを両手で持って構えているポーズです
・ 搭乗兵のフィギュアの1体は、後部座席上に立ち、何かあれば直ぐに後車できるように身構えているポーズとなっています
【 付属している装備品類 】
●タミヤ社製「アメリカ歩兵装備品セット」のランナーが1枚付属、フィギュアの装備品の一部はこのランナーパーツを使用します
・ 「M1 ガーランド」ライフル ×2
・ 「M1 ガーランド」ライフル（小銃擲弾付き） ×1
・ 「M1 カービン」騎銃 ×1
・ 「BAR」自動小銃 ×1
・ 「M1A1 トンプソン」サブマシンガン ×1
・ ヘルメット ×6
・ 「コルト・ガバメント」拳銃ホルスター ×2
・ 水筒 ×6
・ 折りたたみ式携帯シャベル ×4
・ 携帯シャベル ×2
・ 背嚢 ×2
・ 手榴弾 ×4
・ 銃剣 ×6
など
●フィギュアランナーに付属している装備品
・ ヘルメット ×3
●前照灯のガラス部と、フロントウィンドーを再現するクリアーパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、側面グリルのメッシュ、ハッチの支持架などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「フォード GPA.」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第1歩兵師団所属 （チュニジア / 1943年）
・ 所属不明 （ノルマンディ / 1944年）
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●2014年 一部新金型
