ソビエト 1.5トン カーゴトラック (1941年型)
「ソビエト 1.5トン カーゴトラック (1941年型) (プラモデル) (タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.077 )」です
●第2次世界大戦時におけるソ連軍の中型トラック「GAZ-MM」の「1941年型」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次大戦中のソ連軍にて運用された、戦時簡易型トラックとして極端にまで簡略化された構造を持つ「GAZ-AA 1941年型」を再現
・ 前照灯を1灯式に減らし、簡素な角ばった開放型のキャビンを装備、ソ連的な戦時生産型の造りをで再現した内容となっています【 「GAZ-MM 1941年型」について 】
●大戦初頭、ソ連軍の持つ戦車の保有数は世界トップクラスであり、「T-34」や「KV-1」など、その先見性の有る設計と革新性は、世界のレベルを完全にリードしていました
●その一方、民間の自動車メーカーが凌ぎを削る他国と比べて、ソ連では国策による車の開発状況や、国内での劣悪な道路事情、そして原則的に富裕者層が存在しないなどという理由からモータリゼーション化に立ち遅れ、自動車産業は欧米諸国から比べて低レベルであり、自国ではオートバイや乗用車、トラックの生産が満足に行なえない状況でした
●しかし、軍の機械化の中心となるのは戦車などの戦闘車両ではなく、兵員の輸送や補給を行なうトラックであり、ソ連ではトラックの開発と生産を、当時関係が良好で、自動車大国であったアメリカの自動車メーカーのトラックをライセンス生産する方法が採られました
●「GAZ-AA」は、1920年代後半に製造された「フォード」社の「AAトラック」を、「ゴーリキー自動車工場」でライセンス生産したモデルで、1932年ごろから生産が開始されています
●「GAZ-MM」は、「GAZ-AA」をベースとして簡略化とエンジンの増強を図った戦時型タイプで、外観的にはキャビン部のドアを撤去、前部のフェンダーは従来の流れるようなデザインから生産効率の高い板状に変更され、エンジンも従来の40馬力から50馬力へと強化されました
●1941年、独ソ戦が開始されるとその緒戦においてソ連軍は大きな損害を受けてしまい、極めて大量の車両、火砲類を喪失するという結果となります
●そのため、ソ連軍では車両、火砲類の増産が必要不可欠となり、「GAZ-MM」の簡易型及び生産向上型として登場したのが「GAZ-MM 1941年型」です
●「GAZ-MM 1941年型」は、「GAZ-MM」をベースとして、前照灯は片側1基のみ、フロントバンパーは必要最小限の小型のものへと変更され、ブレーキも前輪を廃止して後輪のみとなっています
●また、鋼材の代わりに木材が大幅に採り入れられ、荷台部分のみならず、キャビンの後部パネルなども木製となりました
●「GAZ-MM 1941年型」は、ソ連国産のトラックとして同国軍の機械化に大きく寄与、戦況が落ち着いた1943年以降の生産型「GAZ-MM 1943年型」では密閉型のキャビンへと変更されましたが、既存の「GAZ-MM 1941年型」も引き続いて使用され、将兵の輸送や補給任務など、軍隊を支える役割を担いました
【 「ソビエト 1.5トン カーゴトラック (1941年型)」のキット内容について 】
●このソ連軍の中型トラック「GAZ-MM 1941年型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タミヤの1/48MMシリーズのフォーマットに従い、一体成型されたパーツを多用して「GAZ-MM 1941年型」を再現、同社らしいシャープかつ強弱をつけたモールドにより、簡素なトラックとしての魅力的な姿がスケールに沿って再現された内容となっています
●「GAZ-MM 1941年型」は、タミヤ1/48MMシリーズとしてパーツ数が極力抑えられており、複雑なメカニズムを持つトラックながら比較的簡単かつ短時間に組むことが可能であり、フィギュアも付属していますので、トラックとそれに乗車する兵士達のシーンを気軽に表現できることでしょう
●また、ソ連軍のソフトスキン車両として欠かせないアイテムとなりますので、タミヤ社製「ソビエト自走砲 SU-122」「ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ」などのソ連軍戦闘車両との組み合わせや、ジオラマシーンでの様々な演出に役立つ格好なキットとなります
・ 付属しているフィギュアの服装は大戦後期のものとなりますので、組み合わせる戦闘車両は原則的に大戦後期に登場した車両となります
●「GAZ-MM 1941年型」は、「シャーシ」「キャビン」「荷台」の3ブロックで構成されています
【 キャビン 】
●キャビン部分は、繊細なタッチでフロントグリル、側面のグリルなどの「GAZ-MM 1941年型」の細部を再現、運転席部分などはタミヤらしい造形によりその質感が表現されています
●ボンネット部も含めたキャビンは、各パネルを貼り合わせる箱組み方式です
・ キャンバストップのキャビン部は、ルーフキャンバスを展開した状態で再現されており、キャビン側面を覆うキャンバスは、折り畳まれた状態を再現したパーツが付属しています
・ フロントグリル部は格子状のディテールが彫刻で再現、エンジンスリットは凹凸ある彫刻で再現され、実感ある状態となっています
・ エンジンフードは別パーツ化されており、一体成型のパーツとなっていますが、中心の開閉ライン上にはスケール感に沿った凹凸ある彫刻が施されています
・ キャビン前部パネルにはフロントウィンドーの枠の部分が一体成型され、ウインド部はクリアパーツでで再現されています
・ キャビン内部も再現され、運転席、各種レバー、ハンドル類は別パーツ化して再現しています
・ 前照灯は、フレーム部を含んだ状態で再現、前照灯ガラス部はクリアパーツで再現されています
【 荷 台 】
●荷台部分は、木製パネルと木目表現とがタミヤタッチにより繊細かつ表情豊かに表現されています
●各パネルには木製表現として、木目ラインが彫刻で再現されており、塗装するだけでリアルな木目を再現することが可能です
●荷台は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ 後部パネルは、閉じた状態の固定式となります
【 シャーシ 】
●シャーシは、「GAZ-MM 1941年型」の構造を再現しながらも、タミヤ1/48スケールらしく一体成型を重視したパーツ構成となっており、そのメカニカルな構造がパーツ数を抑えて表現されています
●シャーシのメインフレームは、前部フェンダーも含めた一体成型となっています
・ 前後のリーフ式サスペンションは個別にパーツ化
・ 前部のステアリングゲージ、後部のディファレンシャルは各1パーツで再現
・ ステアリングは固定状態で再現されています
●タイヤは、シングルの前輪部、ダブルタイヤの後輪部の状態を再現
・ タイヤ部分はホイールを含め状態で再現したプラスチック製パーツ
・ タイヤゴムにはトレッドパターンが彫刻で再現されています
【 フィギュア 】
●ドライバー1体と、荷台に乗る歩兵4体の合計5体のフィギュアが付属しています
・ 服装は、詰襟式の「ルパシカ野戦服」を着用、ブーツを履した姿で、ドライバーは略帽、歩兵はヘルメットを被った状態となります(この服装は、1943年頃からの大戦後期における姿となります)
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、ベルト、ポケットなどの細部は繊細なモールドで彫刻されています
・ フィギュアは、頭部、上半身、下半身、両腕のパーツ構成です
・ 歩兵のフィギュア用の木箱(×2)が付属
●各フィギュアのポージングについて
・ ドライバーのフィギュアは、運転席に座り、片手でハンドル、もう一方の手は変速レバーを握ったポーズ
・ 歩兵のフィギュアは
木箱に座り、機関銃を肩に背負っているポーズ
木箱に座り、サブマシンガンを肩に背負っているポーズ
荷台上に腰掛けて、片手にサブマシンガンを持っているポーズ
荷台上に腰掛けて、片手でサブマシンガンを抱えているポーズ
となっています
●ソ連軍の歩兵用の装備品類を再現した<Yランナー>が付属、フィギュアの装備品は、このパーツの中から選択して使用します
・ マキシム M1910機関銃 ×1
・ ディグチェルブ DP 軽機関銃 ×1
・ ヘルメット ×4
・ 背嚢3種 ×各2
・ PPSh1941 サブマシンガン (ドラム式弾倉) ×2
・ PPSh1941 サブマシンガン (箱型弾倉) ×2
・ PPSh1943 サブマシンガン ×2
・ 形態シャベル ×5
・ サブマシンガン用マガジンポーチ (ドラム式弾倉タイプ) ×2
・ サブマシンガン用マガジンポーチ (箱型弾倉タイプ) ×4
・ 水筒 ×6
など
・ 他に、フィギュアランナーにはヘルメット(×4)が付属しています
●フロントウィンドー、前照灯のガラス部を再現したクリアーパーツが付属しています
【 塗 装 】
●説明書には、「GAZ-MM 1941年型」のソ連軍仕様となる1種類の塗装例が記載されています
●2014年 完全新金型
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【 「ソビエト 1.5トン カーゴトラック (1941年型)」のワンポイント 】
●前述のように、キットは極力パーツ数を抑えたものとなっており、パーツ同士の合いも良好で、タミヤ1/48MMシリーズらしく短時間で「GAZ-MM 1941年型」の魅力を楽しむことができる内容となっています
●最近の1/35スケールのニューキットは、パーツ数が多く、トラック類はそれが顕著であり、履帯を装備していない装輪式車両ながら総パーツ数は500を越えるキットも珍しくありません
●そのようなキットはディテール表現では優れているのですが、パーツ数が多いと完成までに時間が掛かり、1/35スケールではトラックの構造は華奢となってしまいますからパーツも細かく、接着強度的にも充分とは言えないのも事実です
●そのようなことから、トラックのキットと言えども、その製作には多くの時間を必要とし、戦車モデル以上の手間がかかる場合もあります
●このキットは、タミヤ1/48MMシリーズとしてトラックである「GAZ-MM 1941年型」を気軽に楽しむことができ、戦車模型初心者から、忙しいユーザーの週末モデリング用のキットとして適しています
●また、短時間で組立てられるということは、単品作品だけではなく、ビネットやジオラマ展開などに挑戦したくなるというユーザーの時間的と精神的な余裕を生み、AFVモデルの原点としての様々な楽しみ方に挑戦したくなるタミヤらしい秀逸な内容のプラモデルとなっています