ドイツ パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型
「ドイツ パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-'45 Series No.6821 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の計画車両「パンター砲兵観測車」の「50mm砲搭載型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●ダミーの砲しか装備していなかった「パンター砲兵観測車」に自衛用の50mm砲を搭載した「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」を再現、車体の大きさに不釣合いな小さな砲を装備した、特異なスタイルを再現した内容となっています
●ドラゴン社製「ドイツ パンターD型 初期生産型 砲兵観測車」をベースに、「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」を再現するために、砲塔前面とキューポラなどの新規パーツを追加、主砲及び防盾をサイバーホビー(ドラゴン)社製「ドイツ軍 偵察装甲車 Sd.Kfz.234/2 プーマ」のパーツへと変更したバリエーションキットです
【 「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」について 】
●ドイツ軍は、「電撃戦」という作戦上の見地から、各種兵器の機械化を進めており、戦車部隊に随伴して砲兵支援の際に弾着の確認とその誘導を行う車両として半装軌車両である「Sd.kfz.250」をベースとした「Sd.kfz.250/3 軽砲兵観測車」を使用していました
●ただし、この「砲兵観測車」は最前線に投入されるため、装甲兵員輸送車がベースでは防御力に乏しく、かつ戦車部隊の中では大きなアンテナを立て戦車と異なるシルエットを持った「Sd.kfz.250/3 軽砲兵観測車」では目立つ存在となってしまい、敵の目標となりやすいため戦車ベースの「観測戦車」の開発を進めることになります
●この「観測戦車」は、主力戦車の推移に準じて「3号戦車」、次いで「4号戦車」をベースとしたタイプが開発され、砲兵支援に活用されました
●このような流れの中で、新型の中戦車である「パンター」をベースとした観測戦車も開発され、「パンター砲兵観測戦車」として1944年末から1945年にかけて41両を生産、実戦に投入したと言われています
・ 「パンター砲兵観測戦車」は、主砲を撤去、その代わりに木製のダミーの砲身を装備し、砲塔前部には固定武装としてボールマウントに機銃を装備しています
・ 主砲を撤去したスペースには、測距座標用机と観測用機材各種を搭載していました
●しかし、「パンター砲兵観測戦車」は謎が多い車両で、1両製作した試作車は実車写真で確認することができますが、その他の車両の存在を疑問視する説が濃厚です
・ この疑問の原点は、「パンター」戦車自体が終始主力戦車としての「数」を必要とされていたので、他の戦車よりも派生車両が少なく、果たして「観測戦車」へと数を振り分ける余裕があったのか、という点にあります
・ もし実際に41両を生産したと仮定すると、「数」の割りには他の車両と並ぶ写真が全く見つからず、これが「パンター砲兵観測戦車」として作られた車両は、実際には試作車1両のみという説を生み出しています
・ この「1両説」を有力とする裏づけは、生産時期が1944年末から1945年という「時期」であり、大戦末期になると以前よりも戦車としての「パンター」を必要としていたはず、という背景ががあるからです
・ さらに、一旦41両を生産したものの、戦車としての必要性から一部の車両を戦車へと戻したという説も登場しています
●もっとも、これらの説は未だ決定打を欠いているのも事実で、今後の研究により「パンター砲兵観測戦車」の生産台数に関する新資料が出てくるものと思われます
●さらに、「ラインメタル」社では主砲を装備していない「パンター砲兵観測車」に一定の自衛能力を持たせるため、「新型砲塔」を搭載する計画もありました
●この「新型砲塔」は、従来の「パンター砲兵観測戦車」に「50mm戦車砲 KwK39」を搭載するというもので、防盾等は「Sd.Kfz.234/2 プーマ」のものを流用するという方法が採られています
●砲塔自体も「パンター砲兵観測戦車」の砲塔をそのまま流用するのではなく、完全に新設計とし、キューポラは円筒状へと変更、レンジファインダーや観測用ペリスコープ「T.B.F.2」、スポッティングペリスコープ「T.S.R.1」なども装備し、外観上もかなり異なる姿となっています
●この新型砲塔を搭載した「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」は、「パンター砲兵観測戦車」自体が極少数生産で終わったためにプランのみに終わり、結局生産は行われなかったようです
●本キットでは、「ラインメタル」社のプラン図を参考に、車体は「パンターD型」、砲塔は「パンターD型」をベースとした新設計の砲塔、そして「Sd.Kfz.234/2 プーマ」の主砲と防盾を装備した状態を再現しています
【 「ドイツ パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の計画車両「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社がパーツの細分化を進める前のフォーマットにそったキットをベースとしており、パーツ数を抑え、クリアパーツ、エッチングパーツも付属しておらず、作りやすさを考慮した内容となっています
●「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」は、「砲塔」「車体上部」「後部パネル」「車体下部」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●「Sd.Kfz.234/2 プーマ」の主砲と防盾を流用、レンジファインダーの装備などにより通常の「パンター砲兵観測車」とは異なる「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」の砲塔レイアウトを再現、各部の溶接跡や切断面の荒れなどを繊細なモールドで再現しています
●「50mm戦車砲 KwK39」の砲身は一体成型のパーツで再現、マズルブレーキは別パーツとなっています
・ 「マズルブレーキ」は前後方向に3分割したパーツ構成により、内部構造も再現
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現、「同軸機銃」は別パーツ化して再現しています
・ 「砲尾」は左右に分割したパーツで再現、「駐退復座装置」や「防危板」は別パーツ化して再現しています
●砲塔は、上部、底部、前面パネル、後部パネルの4パーツで構成
・ 側面の「小型ハッチ」は、「雨樋付き」のタイプと「雨樋無し」のタイプの2種をセット、選択して使用することができます
・ 「ピストルポート」は開口されており、「ピストルポート栓」は別パーツ化、栓をした状態と、栓を外した状態とを選択することができます
・ 「後部ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択して作成することができます
・ 砲塔上部の「ベンチレーター」、側面の「レンジファインダー」、観測用ペリスコープ「T.B.F.2」、スポッティングペリスコープ「T.S.R.1」、「吊り下げフック」などを別パーツ化して再現、レンジファインダーの前面部は開口した状態になっています
●車長キューポラは前後に分割したパーツで再現
・ 「車長ハッチ」はパーツ上のモールドで再現、閉じた状態を再現しています
・ 各「視察口」は貫通した状態で開口されています
【 車体上部 】
●側面後部が下部に張り出した「パンサー D型」の車体上部レイアウトを再現、溶接跡をはじめ、天板部やハッチなどの細かなボルト穴などを繊細なモールドで再現しています
●車体上部は一体成型のパーツで再現
・ 「前面パネル」は別パーツ化していますが、車体上部パーツには内壁を一体成型、確実に形となるように工夫しています
・ 前部の「フェンダー」はスポンソン下部パーツに一体成型化して再現
・ 前方の「ガンポート」は2種のタイプをセット、選択して使用します
・ 操縦手用の「視察ハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択可能、内部のハッチ「開閉ダンパー」も別パーツ化しています
・ 「操縦手ハッチ」「無線手ハッチ」は別パーツ化して再現、開閉状態を選択できます
・ 「パンターD型」用のトラベリングロックは、起倒状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」及び「ペリスコープガード」も別パーツ化して再現
・ 「車載工具類」は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっており、これをブロックごとにパーツ化した取り付けベースへと接着します
・ エンジンデッキ中央の「通気口」は、通常のメッシュ状となったパーツと、シュノーケル収納カバーを装着した状態のパーツの2種をセット、選択して使用します
●側面のシュルツェンは、1枚ごとにカット処理(一部ゲートあり)されたプラ板を貼り付けて作製します
・ シュルツェン架は1本ずつ個別にパーツ化しています
●「パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型」の装備品となる、「スターアンテナ(×1)」「アンテナ(×1)」が付属しています
・ 「スターアンテナ」は上部の放射状となった部分を含めてプラパーツで再現
【 後部パネル 】
●車体後部パネルは、一体成型のパーツで再現しています
・ 「排気管」は1本ずつ独立したタイプを再現
・ 「ジャッキ」は4パーツで構成、固定具は別パーツ化しています
・ 「ゲペックカステン」は上下に分割したパーツで再現しています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化
・ 「転輪」は1枚ずつ個別にパーツ化しています
・ 「起動輪」は前後に分割したパーツで構成、ハブキャップは2種をセットし、選択して使用します
・ 「誘導輪」は、前後方向に4分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが無い「パンター」用の「Kgs64/660/150」履帯を再現
・ 接着及び塗装が可能な軟質素材(DS素材)による「ベルト式」履帯で再現しており、履帯両端は接着して固定します
・ セットされているベルト式履帯をより立体感ある履帯へと交換する場合にはモデルカステン製「パンター戦車用 履帯 初期型 (可動式)」がこれに対応しています
【 「パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型」の塗装とマーキング 】
●「パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 (1943年)
・ 所属不明 (1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マークを再現したデカールが付属しています
【 「ドイツ パンター D型 砲兵観測車 5cm KwK.39 搭載型」のパッケージ内容 】
・ パンター砲兵観測車 50mm砲搭載型 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型