ドイツ パンターD型 初期生産型 砲兵観測車
「ドイツ パンターD型 初期生産型 砲兵観測車 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-'45 Series No.6813 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の砲兵観測戦車「パンター砲兵観測戦車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「パンターD型」をベースに砲兵の弾着確認用の車両「パンター砲兵観測戦車」を再現、砲塔前部にダミーの砲身とボールマウント式の機銃を装備した特異な姿を再現した内容となっています
●ドラゴン社製「Sd.Kfz.171 パンサー D型」をベースに、「パンター砲兵観測戦車」を再現するため、砲塔などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「パンター砲兵観測戦車」について 】
●ドイツ軍は、電撃戦という作戦上の見地から、各種兵器の機械化を進めており、戦車部隊に随伴して砲兵支援の際に弾着の確認とその誘導を行う車両として半装軌車両である「Sd.kfz.250」をベースとした「Sd.kfz.250/3 軽砲兵観測車」を使用していました
●ただし、最前線に投入されるため装甲兵員輸送車がベースでは防御力に乏しく、かつ戦車部隊の中では大きなアンテナを立て戦車と異なるシルエットを持った「Sd.kfz.250/3 軽砲兵観測車」は目立つ存在となってしまい、敵からの目標となりやすいことから戦車ベースの「観測戦車」が求められることになります
●この観測戦車は、主力戦車の推移に準じて「3号戦車」、次いで「4号戦車」をベースとしたタイプが開発され、砲兵支援に活用されました
●この流れから、新型の中戦車である「パンター」をベースとした観測戦車も求められ、「パンター砲兵観測戦車」として1944年末から1945年にかけて41両を生産、実戦に投入したと言われています
・ 「パンター砲兵観測戦車」は、主砲を撤去、その代わりに木製のダミーの砲身を装備し、砲塔前部には固定武装としてボールマウントに機銃を装備しています
・ 主砲を撤去したスペースには、測距座標用机と観測用機材各種を搭載していました
●しかし、「パンター砲兵観測戦車」は謎が多い車両で、1両製作した試作車は実車写真で確認することができますが、その他の車両の存在を疑問視する意見もあります
・ この根拠は、「パンター」戦車自体が終始主力戦車としての「数」が必要となっていたことで、他の戦車よりも派生車両が少ないのはこれが原因となっています
・ また、41両を生産した割りには他の車両の写真が見つからず、これが「パンター砲兵観測戦車」として作られた車両は、実際には試作車1両のみという説を生み出しました
・ この1両説を有力とする裏づけは、生産時期が1944年末から1945年という「時期」であり、大戦末期になると以前よりも戦車としての「パンター」が望まれていたという事情がありました
・ さらに、一旦41両を生産したものの、戦車としての必要性から一部の車両を戦車へと戻したという説も登場しています
●もっとも、これらの説は未だに決定打を欠いているのも事実で、今後の研究により「パンター砲兵観測戦車」の生産台数に関する新資料が出てくるものと思われます
●本キットでは、写真など知られる「パンター砲兵観測戦車」の試作車両をモデルとしたもので、車体は「パンターD型」、車長キューポラは「パンターD型」の「後期型」以降に装備が行われたペリスコープを装備したタイプを搭載、砲塔側面部に「パンターD型」の「初期型」としての小ハッチが付いているのが特徴となります
【 「ドイツ パンターD型 初期生産型 砲兵観測車」のキット内容について 】
●このドイツ軍の砲兵観測戦車「パンター砲兵観測戦車」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社がパーツの細分化を進める前のフォーマットに則ったキットをベースとしており、パーツ数を抑え、クリアパーツ、エッチングパーツも付属しておらず、作りやすさを考慮した内容となっています
●「パンター砲兵観測戦車」は、「砲塔」「車体上部」「後部パネル」「車体下部」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●前方にダミーの砲身とボールマウントに収まった機銃を装備、上部のベンチレーターが後方へと移動した「パンター砲兵観測戦車」の砲塔レイアウトを再現、各部の溶接跡などを繊細なモールドで再現しています
●ダミーの砲身は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して砲口を開口しています
●砲塔は、上部、底部、前面パネル、後部パネルの4パーツで再現
・ 側面の小型ハッチは、雨樋付きのタイプと雨樋無しのタイプの2種をセット、選択して使用することができます
・ ピストルポートは開口されており、ピストルポート栓は別パーツ化、栓をした状態と、栓を外した状態とを選択することができます
・ 後部ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択して作成することができます
・ 砲塔上部のベンチレーター、前部のベンチレーター跡を塞ぐプレート、吊り下げフックなどは別パーツ化しています
・ スモークディスチャージャーは1本ずつ個別にパーツ化、固定ベースへと取り付けます
●車長キューポラは、上下に分割したパーツで再現
・ 車長ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 対空機銃架を装着するリングを別パーツ化、対空機銃架も付属しています
【 車体上部 】
●側面後部が下部に張り出した「パンサー D型」の車体上部レイアウトを再現、溶接跡をはじめ、天板部やハッチなどの細かなボルト穴などが繊細なモールドで再現されています
●車体上部は一体成型のパーツで再現
・ 前面パネルは別パーツ化していますが、車体上部パーツには内壁を一体成型、確実に形となるように工夫しています
・ 前部のフェンダーはスポンソン下部パーツに一体成型しています
・ 前方のガンポートは2種のタイプが付属、選択して使用します
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツとなっており、開閉状態を選択可能、内部のハッチ開閉ダンパーも別パーツ化しています
・ 操縦手ハッチ、無線手ハッチは別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ トラベリングロックは、起倒状態を選択することができます
・ ペリスコープ及びペリスコープガードは別パーツ化して再現
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっており、これをブロックごとにパーツ化した取り付けベースへと接着します
・ エンジンデッキ中央の通気口は、通常のメッシュ状となったパーツと、シュノーケル収納カバーを装着した状態のパーツが付属、選択して使用します
●側面のシュルツェンは、1枚ごとにカット処理(一部ゲートあり)したプラ板を貼り付けて作製します
●「パンター砲兵観測戦車」の装備品となる、スターアンテナ(×1)、アンテナ(×1)、砲塔上に増設したアンテナ(×1)、車体側部に増設したアンテナケース(×1)が付属しています
・ スターアンテナは上部の放射状となった部分を含めてプラパーツで再現
【 後部パネル 】
●車体後部パネルは、一体成型のパーツで再現しています
・ 排気管は1本ずつ独立したタイプを再現
・ ジャッキは4パーツで構成、固定具は別パーツ化しています
・ ゲペックカステンは上下に分割したパーツで再現しています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ サスペンションアームは別パーツ化
・ 転輪は1枚ずつ個別にパーツ化しています
・ 起動輪は前後に分割したパーツで構成、ハブキャップは2種が付属し、選択して使用します
・ 誘導輪は、前後方向に4分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが無い「パンサー」用の「前期型」履帯が再現されており、モデルカステン製「パンター戦車用 履帯 初期型 (可動式)」がこれに対応しています
【 「パンターD型 初期生産型 砲兵観測車」の塗装とマーキング 】
●「パンターD型 初期生産型 砲兵観測車」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明 (クルスク / 1943年)
・ グロースドイッチュラント装甲擲弾兵師団 (カラチョフ / 1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「ドイツ パンターD型 初期生産型 砲兵観測車」のパッケージ内容 】
・ パンター砲兵観測戦車 (「パンターD型」の「初期型」ベース) ×1
・ プラバン (シュルツェン用) ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型