イラク共和国軍 T-62 主力戦車 Mod.1962
「イラク共和国軍 T-62 主力戦車 Mod.1962 （プラモデル） (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.01547 )」です
●湾岸戦争時などで活用されたイラク軍の主力戦車「T-62」の「1962年型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●砲塔の投光器にガードを装着したイラク軍の主力戦車「T-62」の「1962年型」を再現、車体から突き出す形で地雷除去装置「KMT-6」を装備した、迫力あるフォルムを再現した内容となっています
●トランペッター社製「ロシア T-62 主力戦車 Mod.1975 w/KMT-6」をベースに、イラク軍仕様車を再現するために、砲塔、投光器ガード、機銃ターレットなどを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「T-62 中戦車」について 】
●1950年代、ソ連軍は主力戦車として「T-54/55」を開発、低シルエットと重装甲、そして生産コストの低さからなど大ヒット車両となり、チェコスロバキアやポーランドではライセンス生産、中国ではコピー生産が行われるベストセラー戦車となりました
●次いで、ソ連軍では主砲を「115mm滑腔砲」とした「T-54/55」の拡大型となる「T-62」を開発、1960年代の前半から生産を開始します
●この「T-54/55」と「T-62」は、低シルエットで重装甲、大口径の主砲を装備し、大量生産されたことから、西側にとって極めて脅威な存在となり、西側諸国はより性能に優れる戦車の開発を進め、数的劣勢を挽回することに腐心することとなります
●ただ、実際の「T-54/55」と「T-62」は、実質的に第2次世界大戦型の戦車の延長上にある存在であり、照準器などの光学機器の性能は劣悪で、西側戦車と比較して遠距離射撃の精度は極めて低いものでした
●また、車体をコンパクト化するために車内の容積が極力削られていることから余裕のない構造となっており、このため装填手は砲弾を車体側の弾薬庫から1発ずつ取り出さなければならず、連続発射能力は低いものでした
●さらに、「T-62」から採用された自動排莢装置は、主砲を発射した後に砲を一旦水平状態に戻すことが必要なため、結果的に発射速度はより低下してしまいます
●1973年に起こった「第4次中東戦争」において「T-62」はアラブ側の戦車戦力の中核として参加、「T-62」の主砲火力はイスラエル軍側の脅威となりましたが、前述の遠距離射撃能力の問題や、車高の低さによる主砲の俯角制限、主砲発射速度の遅さなどの欠点を露呈し、多数が撃破されてしまいます
●このような戦訓を踏まえて、「T-62」は防御力の向上を中心に改修が行われ、近代化改修を受けた「T-62M」や、爆発反応装甲を装備した「T-62MV」などが登場しています
●一方、「T-62」はソ連軍、東側諸国だけでなく、ソ連の友好国を中心に世界各国に輸出が行われました
●イラク軍は、隣国イランと並んで強大な軍事力を保有しており、「イラン・イラク戦争」の勃発によりさらに戦車を必要としたイラク軍は大量に「T-62」を輸入しています
●「イラン・イラク戦争」が終結した後、イラクは中東において最大の軍事力を誇るようになりましたが、ソ連から輸入した兵器は「モンキーモデル」と呼ばれるオリジナルよりもスペックを落としたものであり、軍事的緊張が続いていたことから、イラク独自に軍の近代化を図るようになります
●特に、第2次世界大戦時の技術の延長である「T-54/55」と「T-62」はその近代化の対象となり、「T-54/55」では砲塔に箱形の追加装甲を装備した「エニグマ」、「T-62」では爆発反応装甲を装着したタイプが登場しました
●もっとも、多くの戦車を抱えるイラク軍にとって、全ての「T-54/55」と「T-62」に近代化改修を実施することは予算上の制限などから困難であり、その結果、簡単な改修に留まった車両も多く、湾岸戦争時には戦後第3世代戦車を中心とした多国籍軍に対して苦戦を強いられたのでした
【 「イラク共和国軍 T-62 主力戦車 Mod.1962」のキット内容について 】
●このイラク軍の主力戦車「T-62」の「1962年型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●車体や砲塔などの主要構造は一体成型を多用しながらも、車体上のディテール表現のために車体各所のパーツを細分化、各種装備品をはじめとするディテールを細部までパーツ化してイラク軍の「T-62 1962年型」を再現した内容となっています
●「T-62 1962年型」は、「砲塔」「車体」、左右の「フェンダー」、「KMT-6」の5ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●装填手ハッチに機銃用のターレットを装備した、「1972年型」に準じた仕様となるイラク軍の「T-62 1962年型」の砲塔レイアウトを再現、砲塔パーツ表面の鋳造肌を若干滑らかな感じのモールドで再現しています
●「115mm滑腔砲 U-5TS」の砲身は、金属砲身とプラスチックパーツの2種をセット、選択して使用することができます
・ 金属砲身は、排煙器も含めて一体成型のパーツで再現
・ プラスチックパーツは、前部、排煙器、後部の3つのブロックで構成、排煙器と砲身後部は左右に分割したパーツで再現、砲身前部は一体成型のパーツで再現しており、砲口部分は開口した状態となっています
・ 「防盾」は、「防塵カバー付き」と「カバー無し」の2種のパーツをセット、選択して使用することができます
●砲塔は上下に分割したパーツで構成
・ 「車長ハッチ」「装填手ハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択できます
・ 「ペリスコープ」類はクリアパーツで再現
・ 砲塔後部の「排莢ハッチ」は別パーツで、閉じた状態を再現しています
・ 「手摺り」「小フック」を別パーツ化して再現
・ 「投光器」は前後に分割したパーツで再現、砲塔前部の「小型投光器」のガラス部はクリアパーツで再現しています
・ 「投光器ガード」は、プラパーツとエッチングパーツの2種をセット、選択して使用することができます
●機銃ターレットは一体成型のパーツで再現
・ ターレットに装備する、対空機銃「12.7mm 重機関銃 DShKM」も再現しています
・ 機銃本体は機関部も含めて一体成型のパーツとなっています
・ 機銃架は5パーツで構成
【 フェンダー 】
●フェンダーは、中央部分と前後のフラップ部の3パーツで構成
・ 排気管の先端部は別パーツ化、プラパーツとエッチングパーツの2種をセットしており、選択して使用することができます
・ フェンダー上の各「雑具箱」は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 「予備燃料タンク」はそれぞれ一体成型のパーツで再現
【 車 体 】
●低いシルエットの車体本体を中心にして側面にフェンダーを伸ばした「T-62」の車体レイアウトを再現、各部の溶接跡や灯火類の配線などをモールドで再現しています
●車体は、車体下部パーツに、車体上部パネルを取り付けて作製します
●車体上部は、前面部とエンジンデッキ前後の3パーツで構成
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 「ペリスコープ」「前照灯」のガラス部はクリアパーツで再現しています
・ エンジングリルのグリルガード（メッシュ）は付属のエッチングで再現します
・ 「ライトガード」は上下に分割したパーツ構成
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用して再現します
●後方の「予備燃料タンク」は各4パーツで構成
●車体下部は、バスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化して再現
・ 「転輪」は、ホイール部とゴムの部分とに分割、ゴムの部分は軟質素材のパーツで再現しています
●車体後部に装備する軟弱地脱出用の「丸太」を再現したパーツが付属
【 履 帯 】
●履帯は、履板のラインの沿った部分に滑り止めが付いた「T-54/55」「T-62」用のシングルピン式履帯を再現しています
・ 履板を1枚づつに分割した接着連結式履帯となっています
【 KMT-6 マインプラウ 】
●「KMT-6」は、左右個別に「鋤」「アーム」の2ブロックで構成しています
・ 「鋤」は上下に分割したパーツで再現、各ツメは個別にパーツ化しています
・ 「アーム」は1フレームごとに個別にパーツ化、組み合わせて接着することでアーム全体を完成させます
●ペリスコープ、前照灯及び投光器のガラス部を再現するクリアパーツが付属
●エンジングリルのメッシュ、排煙器の先端部、排気管の先端部などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「T-62 主力戦車 Mod.1962」の塗装とマーキング 】
●「T-62 主力戦車 Mod.1962」のマーキングとして、イラク軍仕様となる1種類の塗装例がカラー塗装図に記載されており、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●パーツ数 ： 510点以上
●「イラク共和国軍 T-62 主力戦車 Mod.1962」の完成時のサイズ
・ 全長 ： 286mm
・ 全幅 ： 95mm
【 「イラク共和国軍 T-62 主力戦車 Mod.1962」のパッケージ内容 】
・ 主力戦車 T-62 1962年型 （イラク軍仕様） ×1
・ 金属砲身 ×1
・ エッチングシート ×2
・ 銅製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 一部新金型
