1/35 ティラノサウルス シリーズ ルノー FT-17 軽戦車 (鋳造砲塔型) MENG-MODEL (モンモデル)

「ルノー FT-17 軽戦車 (鋳造砲塔型) プラモデル (MENG-MODEL 1/35 ティラノサウルス シリーズ  No.TS-008 )」です

●第1次世界大戦時及び第2次世界大戦時、フランス軍にて運用された軽戦車「ルノー FT-17」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット

●現在まで及ぶ戦車の基本スタイルを確立した軽戦車「ルノー FT-17」を再現、大型の誘導輪を採用した巨大な足周りに小型の砲塔を装備し、リベット接合を多用した独特のフォルムを再現した内容となっています

【 「ルノー FT-17 軽戦車」について 】

●1916年、イギリス軍は「マーク 1 戦車」を開発、実戦に投入し、これは世界最初の近代戦車として認知されています

●しかし、フランス軍においても「マーク 1 戦車」の開発とほぼ同時期に戦車の開発を始めており、「マーク 1 戦車」よりも少し遅れて「シュナイダー CA1」や「サンシャモン 突撃戦車」を生み出します

●ところが、この2つの戦車は大型で鈍重、そして創成期であるがため機械的な信頼性は最低レベルであり、実際には歩兵のスピードにも追従することができないという様々な欠点を抱えていました

●そこで、フランス軍の将軍「ジャン＝バティスト・エティエンヌ」はこれらの戦車をサポートする小型の戦車の開発を自動車メーカー「ルノー」社に依頼（その時期は「マーク 1 戦車」の登場以前）、同社における開発は自動車とは全く異なる車両のために難行しましたが、1917年2月には試作車を完成させます
●この試作車は試験の結果、高い評価を獲得し、同年3月には「ルノー FT-17」として制式化、量産が開始されました

●この「ルノー FT-17」は、従来の大型の戦車とは異なり、乗員2名の小型戦車で、小型で軽量な車体により当時の戦車としては極めて良好な機動性能を持っていました
●同車の最大の特徴がそのレイアウトであり、箱型の車体に外装式に足周りを装備、車体は前方から操縦席、戦闘室、エンジンルームという配置を採用し、戦闘室とエンジンルームとには隔壁が設けられ、従来の露出式のエンジンの戦車と比べてその車内騒音は大きく減じられています
●車体上部には360度旋回可能な砲塔が装備され、この砲塔に武装を搭載、この旋回式の砲塔は当時としては類を見ない画期的なものでした

●この「ルノー FT-17」のレイアウトはその後の戦車の基本スタイルを確立、その流れは現在においても脈々と受け継がれています

●「ルノー FT-17」は、小型で生産が容易なことから3800両以上が作られ、1918年5月から実戦に投入、機動力や稼働率の高さ、扱い易さ、そして生産数の多さから集中使用することが可能であり、戦車として高い評価を得ています
●しかし、同車が戦場に投入されてから戦争自体が終結するまで短い期間しかなく、また当時は戦車運用の作戦、戦術が研究段階であり、「ルノー FT-17」としての真価が十分に発揮されたとは言い難いものがありました

●第1次世界大戦終結後、「ルノー FT-17」は戦車の技術を獲得したい各国にとって小型で安価な車両として注目の的となり、世界中に輸出が行われました
●同車が世界に与えた影響は大きく、アメリカでのライセンス生産を初め、ソ連、イタリアではコピー生産が行われ、1920年代における戦車にスタンダードとなっています

●1930年代に入ると、「ルノー FT-17」は旧式化が免れず、登場当時は機動力は優秀だったものの、その最高速度は8km/h程度であり、軽戦車の最高速度が20～30km/h程度であった時代には合わないものでした
●しかし、同車は中小国にとって貴重な戦車戦力であり、フランス軍自体も2戦級兵器としてかなりの数を保有し続け、第2次世界大戦にも参戦しています

●独仏戦の結果、フランス軍の装備を大量に捕獲したドイツ軍は「ルノー FT-17」も入手、ただしこの頃になると戦車としは能力不足が目立ち、飛行場警備やパルチザン掃討などの後方での使用に限られました
●もっとも、第1次世界大戦から第2次世界大戦に至るまで使用されたのは同車のみであり、戦車開発史に欠かせない車両としてその基本設計の優秀さを示すものとなっています

●なお、「ルノー FT-17」は生産当初は8角形の角型砲塔が搭載されていましたが、後に鋳造式の円形の砲塔へと変化しています
●また、同車は「プトー 37mm戦車砲 SA18」を装備した砲搭載タイプと、「オチキス M1914機関銃」を装備した機銃搭載タイプとが存在、搭載タイプの方が多く生産されています
●更に、フランス軍では1931年に武装を「レーベル 7.5mm機関銃 Mle.31」へと変更したタイプも登場しています

【 「ルノー FT-17 軽戦車 （鋳造砲塔型）」のキット内容について 】

●このフランス軍の軽戦車「ルノー FT-17」を再現したプラスチックモデル組立てキットです

●MENGモデル社の徹底したリサーチ力と実車への深い造詣によって「ルノー FT-17」を再現、小型の軽戦車ながら複雑な構造を持つ足周りは細分化されたパーツ構成、そして内部も細かく再現されており、同社のフォーマットに則りそのディテール表現に重きを置いた内容となっています

●また、砲塔などの主要部分には一体成型を採用、履帯は連結式ながらはめこみ式となっており、細分化されたパーツ構成ながら組立て易さが考慮されています

●エンジンを含めて砲塔、車体内部が再現されたフルインテリアキットです


●「ルノー FT-17」は、「砲塔」「車体」「尾橇」、左右の「足周り」の5ブロックで構成されています

【 砲 塔 】
●砲塔は、特徴的な円形の形状を再現、表面の細かなリベットが表現されています

●武装は、「プトー 37mm戦車砲 SA18」「オチキス M1914機関銃」「レーベル 7.5mm機関銃 Mle.31」のパーツが付属、3種中の1種を選択して作ることができます
　・ 「プトー 37mm戦車砲 SA18」の砲身は下部の駐退装置も一体成型され、砲口は開口処理されています
　・ 砲尾は左右分割式です
　・ 「オチキス M1914機関銃」と「レーベル 7.5mm機関銃 Mle.31」は一体成型で、機関部も含めて再現されています
　・ 防盾は1パーツで構成
　・ 防盾は、完成後も上下可動式とすることができます

●砲塔は上下分割式です
　・ 後部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
　・ 上部の視察キューポラは4層式に構成されています

●砲塔内部は、以下の構造と各種装備が再現されています
　・ 砲尾及び機関銃の機関部
　・ 照準器
　・ 砲弾ラック
　・ 車長用の座席代わりとなるバンド （エッチングパーツ）


【 車 体 】
●車体は箱組み方式でその箱型形状を再現、車体内部も再現されており、機能が詰まった状態が表現されています

●車体は各パネルを貼り合せる箱組み方式です
　・ 各パネルには車体内側の構造が再現されています
　・ 操縦手用の視察パネル、乗降パネル、エンジン点検パネルは別パーツで、開閉状態が選択できます
　・ 排気管は3パーツで構成され、先端部は開口処理済みです
　・ 側面の工具箱及びラックがパーツ化
　・ 車載工具類は個別にパーツ化され、固定バンドを再現するエッチングパーツが付属しています

●車体内部は、以下の構造と各種装備が再現されています
　・ エンジン （全19パーツ）
　・ トランスミッション （全14パーツ）
　・ ラジエター
　・ エンジンルーム隔壁
　・ 砲弾ラックもしくは機銃の弾薬ラック
　・ 操縦席
　・ 操行レバー
　・ 各種ペダル
　・ 変速レバー
　・ メーターパネル
　・ 燃料タンク
　・ 消火器
　など

【 尾 橇 】
●車体尾部に装備された「尾橇」を再現したパーツがセットされています
　・ 尾橇は、各パネルを貼り合わせる方式です
　・ 上面にはトラス構造が再現
　・ 尾橇上部の構造物は9パーツで構成
　・ 上部のキャンバス製のカバーを再現したパーツが付属しています


【 足周り 】
●創世記の戦車らしい複雑な足回りの構造を再現、

●足周りは、上部及び下部のボギーパーツが左右分割式で、各転輪を挟み込んで接着させます
　・ 下部のボギー部分を覆うカバーは左右分割式
　・ 中央に溝が付く転輪はスライド式金型を使用して一体成型のパーツで再現しています
　・ 誘導輪は鋼製タイプと木製タイプとが付属、選択して使用します
　・ 起動輪、誘導輪、各転輪は回転可動式とすることができます
　・ 足周り前部に存在するサスペンションは金属バネと金属製のシャフトで構成されています

【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された連結可動式履帯が付属しています
　・ 履帯は、接着剤不要で1枚ずつを嵌め込んで連結させる方式となります
　・ 履帯は表面部が平板となった「ルノー FT-17」用の履帯が表現されており、モデルカステン製「SK-61 ルノー FT戦車用 履帯」がこれに対応しています


●「オチキス M1914機関銃」用の3脚架のパーツが付属、他の武装を選択した場合は同機銃を装備した状態を製作することができます
　・ 保弾板の弾帯、機銃弾薬箱が付属しています
●砲塔内部のバンド、工具固定用のバンドなどを再現するエッチングパーツが付属


【 塗装とマーキング 】
●「ルノー FT-17」のマーキングとして、4種類の塗装例が説明書に記載されています
　・ フランス軍 第29戦車大隊 （1940年5月）
　・ フランス軍 「タイガー」戦車連隊 第2大隊 （第1次世界大戦時）
　・ フィンランド軍 第2戦車中隊 （1940年2月）
　・ ドイツ空軍車両 （フランス / 1940年）

●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています


●2013年 完全新金型