1/35 AFVシリーズ ロシア BTR-60PA 装甲兵員輸送車 Trumpeter (トランペッター)

「ロシア BTR-60PA 装甲兵員輸送車 プラモデル (トランペッター 1/35 AFVシリーズ  No.01543 )」です

●冷戦時代に装備されたソ連軍の装輪式装甲兵員輸送車「BTR-60PA」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット

●「BTR-60P」をベースに車体を密閉型とした「BTR-60PA」を再現、多面形で構成された車体形状による先鋭的なスタイルを表現した内容となっています

【 「BTR-60PA 装甲兵員輸送車」について 】

●第2次世界大戦時、ソ連軍はアメリカから大量に「M3ハーフトラック」系列の装甲兵員輸送車を供与されましたが、膨大な兵員の輸送には不足し、戦車に跨乗させる「タンクデサント」という戦術を取り入れました

●しかしながら、この「タンクデサント」は戦車の被弾時に受ける兵員の損害が大きく、数多くの死傷者を出してしまう結果となり、この教訓はソ連の戦後における装甲兵員輸送車の開発と整備に大きな影響を与えています

●ただ、大戦時のソ連は正面装備である戦車などの戦闘車両の開発に傾倒したことから、通常の車両の開発のノウハウが確立しておらず、当初はアメリカから供与された車両のコピーを進め、「M3ハーフトラック」のデザインを踏襲して足周りを装輪式へと変更した「BTR-152 装甲兵員輸送車」を生み出します
●この「BTR-152」は一応の成功作となりましたが、不整地踏破能力が不足、装甲兵員輸送車の開発は装輪式と装軌式の2本立てという方針が採られました

●このような状況の下で装輪式車両として1959年に開発された装甲兵員輸送車が「BTR-60P」で、トラックに装甲板を付けたようなシルエットを持つ「BTR-152」と比べ、多面形で構成された洗練された車体デザインを採用、このデザインは同時に防御力の向上にもつながっています
●また、装輪式の足周りも6輪式から8輪式へと変更、サスペンションの性能も向上し、不整地での走行性能を向上させることに成功しています

●当初登場した「BTR-60P」は車体上部がオープントップ式でしたが、このことは防御上の大きな欠点となり、これを改善するために1963年に登場したのが「BTR-60PA」です
●この「BTR-60PA」は、「BTR-60P」をベースとして車体上部に天板を付けて密閉型へと変更、その天板部には乗員用と兵員用のハッチが設けられ、「BTR-60P」では車体前方に装備されていた機関銃は乗員ハッチ部分へと移動しています

●この「BTR-60PA」を含む「BTR-60」シリーズはソ連軍の機械化及び装甲化に大きく貢献、ソ連軍及び東側諸国の装甲兵員輸送車は、装軌式の「BMP-1」シリーズと、装輪式の「BTR-60」シリーズに画一化されることとなります
●「BTR-60PA」は、「BTR-60」シリーズの2番手として「BTR-60」～「BTR-90」というソ連軍の装輪式装甲兵員輸送車の基礎を作り、その歴史上に欠かせない存在となったのでした

【 「ロシア BTR-60PA 装甲兵員輸送車」のキット内容について 】

●この現用ソ連軍の装輪式装甲兵員輸送車「BTR-60PA」を再現したプラスチックモデル組立てキットです

●基本の躯体は一体成型のパーツで構成、これに細分化されたパーツ及びエッチングパーツによりディテールを付加するトランペッター社の1/35スケールシリーズのフォーマットに従い「BTR-60PA」を再現した内容となっています

●トランペッター社製「ソビエト BTR-60P 装甲兵員輸送車」をベースとして、「BTR-60PA」を再現するために、車体上部や視察ハッチの防弾板などを新規パーツへと変更、各ハッチや装備品などを追加したバリエーションキットとなります


●「BTR-60PA」は、「車体上部」「車体下部」の2ブロックで構成されています

【 車体上部 】
●車体上部は、密閉型となった「BTR-60PA」としての車体レイアウトを再現、砲塔を持たない平面的な天板部に各種ハッチを備えたシンプルな形状が表現されています

●車体上部は、操縦席前面パネル、エンジンパネル部を除いて一体成型されています
　・ 各乗員ハッチ、兵員ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
　・ 前部の視察ハッチは別パーツで、開閉状態の選択が可能、内側のガラス部はクリアーパーツが用意されています
　・ 側面の射撃ポートはそのディテールが表現され、蓋は別パーツとなります
　・ 車体上の細かなフックはエッチングパーツを曲げて再現します
　・ 前照灯のガラス部はクリアーパーツとなっています

●車体天板部に装備される「DShK 12.7mm重機関銃」が付属しています
　・ 「DShK 12.7mm重機関銃」は機銃架、弾薬箱を含めて9パーツで構成されています
　・ 機銃のマウントは前方と側面に設けられており、その装着箇所が選択できます

【 車体上部 】
●車体下部は、「BTR-60PA」としての堅牢かつ機動性に優れた足周りを再現、浮航用の推進装置、トリムベーン、複雑なディテールとなる車体床面も表現されています

●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、前面と後面パネルは別パーツです
　・ 各サスペンションユニットは3分割式によりダブルウィッシュボーン式サスペンションの構造が再現されています
　・ 前4輪の操行装置は各3パーツで構成
　・ ダンパー、ショックアブソーバーがパーツ化されています
　・ トリムベーンはステーを含めて5パーツで構成
　・ 後部パネルの浮航用の推進装置がパーツ化、内部に存在するスクリューも付属しています

●タイヤはホイール部とゴム部とが別パーツとなっています
　・ ゴムの部分は軟質素材製で、複雑なトレッドパターンが表現されています
　・ タイヤは、内蔵させるポリキャップにより可動します

【 車体内部 】
●エンジンルーム以外となる以下の車体内部構造が再現
　・ 操縦席
　・ 助手席
　・ メーターパネル（メーター部分を再現するデカールが付属）
　・ ハンドル
　・ 各種レバー、ペダル類
　・ 兵員室の床面
　・ エンジン隔壁
　・ 兵員用のベンチシート
　・ ヒーターユニット
　・ 無線機
　・ ペリスコープ（クリアーパーツ）
　など


●ペリスコープ、、視察ハッチの防弾ガラス、前照灯のガラス部分などを再現するクリアーパーツが付属
●車体上のフック、機関銃の銃架の一部、サーチライト基部などを再現するエッチングパーツが付属しています


【 塗装とマーキング 】
●「BTR-60PA」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる2種類の塗装例（ロシアングリーン単色塗装2種）が説明書に記載されており、塗装例に基づく、親衛マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています


●「BTR-60PA」の完成時のサイズ
　・全長 ： 206mm
　・全幅 ： 81mm

●全470パーツ


●2014年 一部新金型