ドイツ Sd.Kfz.184 フェルディナント クルスク 1943
「ドイツ Sd.Kfz.184 フェルディナント クルスク 1943 (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6495 )」です
●第2次世界大戦中期におけるドイツ軍の重駆逐戦車「Sd.Kfz.184 フェルディナント」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●1943年の「クルスク戦」においてソ連軍相手に猛威を奮った重駆逐戦車「フェルディナント」を再現、車体後部に戦闘室を設け、71口径という長砲身砲を装備した、要塞のようなフォルムを再現した内容となっています
●ドラゴン社製「Sd.Kfz.184 重駆逐戦車 フェルディナント (プレミアムエディション)」をベースに、戦闘室後部の雑具箱を再現したエッチングパーツを追加、デカールを「第653重戦車駆逐大隊」と「第654重戦車駆逐大隊」の各車両を再現可能な新版へと変更したバリエーションキットです
・ 「第653重戦車駆逐大隊」の車輌用の戦闘室後部の車輌マークや、「第654重戦車駆逐大隊」用の大隊長の頭文字のマークを再現したデカールも付属、車両番号は「0」~「4」のバラ数字ですので、「第653重戦車駆逐大隊」と「第654重戦車駆逐大隊」の全車両の中から1つの車両を選択して作製することができます
・ 説明書には、「第653重戦車駆逐大隊」と「第654重戦車駆逐大隊」の各車両のマーキングと車両番号を記載しています
【 「ドイツ Sd.Kfz.184 フェルディナント クルスク 1943」のキット概要 】
●ドラゴン社がパーツの細分化を進める前のキットをベースとして、エッチングパーツやクリアパーツ、マジックトラックなどを追加したプレミアムエディション版
●含まれているエッチングパーツは多いが、エッチングパーツを使用しないで作製することも可能
●フェンダーを再現したエッチングパーツも付属、このエッチングパーツを使用することでフェンダー側面の滑り止めパターンを再現可能
●砲身は金属製砲身とプラスチック製パーツの2種をセット
●ペリスコープを再現したクリアーパーツが付属
●戦闘室後部の雑具箱、側面の工具箱、フェンダー、マッドフラップ、工具類の固定具などを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、接地部分に4箇所の凹みが付いた「フェルディナント」用の「初期型履帯」、履板1枚ずつに分割したプラスチック製パーツによる接着連結式(マジックトラック)
●塗装例はドイツ軍仕様2種、「第653重戦車駆逐大隊」と「第654重戦車駆逐大隊」の全車両の中から1つの車両を選択して作製することが可能
【 「Sd.Kfz.184 フェルディナント 重駆逐戦車」について 】
●ドイツ軍は、1935年の再軍備化に従い、「1号戦車」~「4号戦車」という4種類の戦車を開発しましたが、1930年代後半から「4号戦車」を超える重戦車の研究と試作とが行われるようになります
●この試作に当たり、当初「DW1」「DW2」という2種類の車輌が作られ、後に「VK30.01」「VK36.01」へと発展して行きます
●「VK30.01」は、30tクラスの車輌であり、「ヘンシェル」社による「VK30.01(H)」と、「ポルシェ」社による「VK36.01(P)」の2両が製作されました
●1941年5月、ドイツ軍はポーランド戦、フランス戦などの戦訓から、強力な防御力と火力を持つ重戦車の必要性が高まり、「ヘンシェル」社と「ポルシェ」社に対し、45tクラスの新型重戦車「ティーガー 1」の本格的な開発を指示します
●これを受けて両社は、「VK30.01」をベースにして開発を開始、「ヘンシェル」社の試作車輌は「VK45.01(H)」、「ポルシェ」社の試作車輌は「VK45.01(P)」と呼ばれました
●「VK45.01(P)」の最大の特徴は、エンジンとモーターとを併用したハイブリッド式の動力装置を持つことで、エンジンによる発電によりモーターを動かし、そのモーターの動力で起動輪を駆動する方式でした
・ このシステムは、当時はこのような大重量、大出力に充分に対応できるトランスミッションの開発能力に乏しく、トランスミッション無しで速度を増減できるようにしたものです
●この「VK45.01(P)」は、「ポルシェ」社を率いる「フェルディナント・ポルシェ博士」と「ヒトラー」との親密な関係から新型重戦車の本命とされ、制式採用前に90両分の車体を先行して生産してしまいます
●しかし、制式採用への試験である「VK45.01(H)」と「VK45.01(P)」との比較テストの結果、「VK45.01(P)」はハイブリッド式動力装置の不具合が発生して不採用となり、「VK45.01(H)」が「ティーガー 1」の座を射止めました
●この結果、事前に生産された「VK45.01(P)」の車体の有効活用方として、駆逐戦車へと転用することとし、車体の基本構造はそのまま継承されましたが、動力装置を中央部、戦闘室を後部に設けるというレイアウトに変更しています
●主砲には、破格の威力を誇る「PaK43/2 71口径 88mm対戦車砲 」(「PaK43 71口径 88mm対戦車砲」の車載改良型)を搭載、装甲も前面が200mm、側面も80mmという極めて強固なものとなりました
●また、駆逐戦車への改造にあたり、動力装置への改良も行われ、「VK45.01(P)」のテスト時よりも駆動系、足周りの改善が図られています
●この駆逐戦車は前述の「フェルディナント・ポルシェ博士」の名前を採って「フェルディナント」と名が付けられました
●「フェルディナント」への改造は、1943年4月から5月の間に実施、これによって生み出された90両の「フェルディナント」は、「第653重戦車駆逐大隊」と「第654重戦車駆逐大隊」の2部隊に各45両ずつ配備されています
●この両大隊に突撃戦車「ブルムベア」を装備した「第216突撃戦車大隊」を加えて、ドイツ軍は「第656重駆逐戦車連隊」を編成、同年7月の「クルスク戦」に参加します
●「クルスク戦」において「フェルディナント」は、その能力を発揮してアウトレンジでソ連軍の戦車を撃破、強力な装甲は幾重にも構築された対戦車砲陣地にも十分耐え、「フェルディナント」という名前はソ連軍対戦車砲兵、戦車兵にとって恐怖の的となりました
・ この「フェルディナント」という言葉は、その後一人歩きして、「強力な突撃砲、駆逐戦車」を意味する慣用句ともなっています
●ソ連軍の対戦車砲兵は、装甲を貫通することを諦め、履帯を狙って砲撃を実施、擱座させて戦闘能力を奪うという戦法を採りました
●また、通説として「フェルディナント」は機銃を装備していない関係で、歩兵の肉薄攻撃で多くを撃破されたと言われていますが、ドイツ軍は戦車(おそらく第656重駆逐戦車連隊の本部車輌)を随伴させることでこれをカバー、最新の考証では肉薄攻撃による損失は1両程度と言われています
●ただ、この「クルスク戦」は事前から攻勢の概要がソ連軍側に漏れており、十分な準備期間もあって強固な防衛陣地が構築され、「フェルディナント」の活躍にも関わらずドイツ軍は目的を達成できずに作戦は終了します
●「クルスク戦」での消耗により「フェルディナント」の数は半減、「第654重戦車駆逐大隊」はその装備車輌を「第653重戦車駆逐大隊」に渡し、「ヤークトパンター」受領のために本国へ帰還、「第653重戦車駆逐大隊」は東部戦線に残り、戦闘を継続しました
・ 「フェルディナント」の最大の欠点は65tにもなる重量であり、不整地で擱座してしまうと回収することが極めて困難となり、損失率の高さに繋がりました
●その後、「フェルディナント」は戦訓に基づき改造が行われることとなり、戦線から離脱、前方機銃の増設、車長キューポラの設置、防盾の変更などの改造が実施され、同車は「エレファント」へと改名しています
●「エレファント」は、イタリア戦線、東部戦線で活躍、戦闘により消耗しながらも戦闘を繰り広げ、その姿は1945年のベルリン近郊の戦いでも見られたのです
【 「ドイツ Sd.Kfz.184 フェルディナント クルスク 1943」のキット内容について 】
●このドイツ軍の重駆逐戦車「Sd.Kfz.184 フェルディナント」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン社がパーツの細分化を進める前のフォーマットながら、プレミアムエディション版として多くのエッチングパーツやクリアパーツを追加することで、現行フォーマットに準じた仕様へと変更、「Sd.Kfz.184 フェルディナント」の細部表現に重きを置いた内容となっています
・ ただし、追加しているエッチングパーツなどの多くは従来のパーツと選択して使用できることから、パーツ数を抑えた状態として作製することも可能です
●「Sd.Kfz.184 フェルディナント」は、「戦闘室」「車体」「エンジンデッキ部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成しています
【 戦闘室 】
●垂直に切り立った「フェルディナント」の戦闘室形状を再現、独特の装甲板の溶接方法や溶接跡などを強弱を付けたモールドで再現しています
●「PaK43/2 71口径 88mm対戦車砲」の砲身は、プラスチック製パーツと金属製砲身の2種をセット、選択して使用することができます
・ プラスチック製パーツの砲身は左右に分割したパーツで再現
・ 金属製砲身は「マズルブレーキ」を別パーツ化しており、プラスチック製パーツの砲身に一体成型化している「マズルブレーキ」を切り取って使用します
・ 砲尾部分も再現、「防危板」「駐退復座装置」などを別パーツ化しています
・ 砲身は、完成後も上下方向に可動させることができます
●防盾は、本体が1パーツ、中央の固定ボルト用のプレート部は4パーツで構成しています
●戦闘室は一体成型のパーツで再現
・ 各ピストルポートの「装甲栓」は別パーツ化、内側のチェーンを再現したエッチングパーツが付属しています
・ 後部の「エスケープハッチ」と、中央部の「排莢ハッチ」は別パーツとなっています
・ 上部後方の「ペリスコープハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択可能、「ペリスコープ」を再現したクリアパーツも付属しています
・ 「車長ハッチ」「装填手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 戦闘室前面の「樋」は、プラスチック製パーツとエッチングパーツとを選択できます
・ 戦闘室後部の「雑具箱」は、展開図状となったエッチングパーツを貼り合せて作製します
【 エンジンデッキ部 】
●エンジンデッキ部は、特徴となるエンジングリルのスリット構造を再現、前面や側面の装甲板の厚みも再現しています
●エンジンデッキ部は、上部パネルをベースにして、エンジングリル部、吸気口の装甲カバーなどを取り付けて作製します
・ 「操縦手ハッチ」「無線手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態が選択できます
・ 「操縦手ハッチ」の「ペリスコープガード」はプラスチック製パーツとエッチングパーツの2種をセット、選択して使用することができます
・ 「トラベリングロック」は9パーツに分割して再現
【 フェンダー 】
●フェンダーはプラスチック製パーツとエッチングパーツの2種をセット、エッチングパーツを使用した場合は側面の滑り止めパターンも再現することができます
●フェンダーもプラスチック製パーツとエッチングパーツの2種をセット、選択して使用することができます
・ プラスチック製パーツは、左右それぞれ一体成型のパーツで再現
・ エッチングパーツは、前後方向に4分割したパーツで再現、前部の「マッドフラップ」は別パーツ化しています
・ 「マッドフラップ」のヒンジもエッチングパーツで再現、ヒンジを通るシャフトを再現したメタル製パーツも付属しています
【 車 体 】
●「VK45.01(P)」譲りの複雑な車体形状を再現、特徴的な大型ボルトや溶接跡などを強弱を付けたモールドで再現しています
●車体は、バスタブ状に一体成型となった車体下部パーツに、車体上部の各パネルを貼り合わせて作製します
・ 2組の転輪が接続する「ポルシェ式サスペンションユニット」は5パーツで再現 (全6ユニット)
・ 側面の「工具箱」はプラスチック製パーツとエッチングパーツの2種をセット、選択して使用します
・ エッチングパーツの「工具箱」は、蓋の開閉状態を選択できます
・ 車載工具類は、プラスチック製パーツによる工具本体と、エッチングパーツによる固定具とで再現
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラスチック製パーツ、ワイヤー本体は付属の金属製ワイヤーを使用して作製します
・ 「牽引ワイヤー」の固定具は、プラスチック製パーツとエッチングパーツの2種から選択することができます
【 履 帯 】
●履帯は、接地部分に4箇所の凹みがあり、センターガイドが2枚おきに付いた「フェルディナント」用の初期型履帯を再現しています
・ 履帯は、履板1枚ずつに分割したプラスチック製パーツによる接着連結式履帯となっています (マジックトラック)
・ より精密で立体感ある履帯に交換したい場合には、「フェルディナント駆逐戦車用履帯 初期仕様 (可動式) 」がこれに対応しています
●ペリスコープを再現したクリアーパーツが付属
●戦闘室後部の雑具箱、側面の工具箱、フェンダー、マッドフラップ、工具類の固定具などを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「Sd.Kfz.184 フェルディナント」の塗装とマーキング 】
●「Sd.Kfz.184 フェルディナント」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第653重戦車駆逐大隊 (1943年)
・ 第654重戦車駆逐大隊 (1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、車輌マークなどを再現したデカールが付属しています
・ 「第653重戦車駆逐大隊」の車輌用の戦闘室後部の車輌マークや、「第654重戦車駆逐大隊」用の大隊長の頭文字のマークを再現したデカールも付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「ドイツ Sd.Kfz.184 フェルディナント クルスク 1943」のパッケージ内容 】
・ Sd.Kfz.184 フェルディナント 重駆逐戦車 ×1
・ 金属製砲身 ×1
・ エッチングシート ×2
・ 金属製ワイヤー ×1
・ メタル製パーツ ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2012年 リニューアルアイテム
●2016年 パッケージ内容一部変更 (旧バージョンからマズルブレーキのランナーを省いてます)