1/35 ファイティングビークル シリーズ ソビエト T-28 中戦車 初期型 HOBBY BOSS (ホビーボス)

「ソビエト T-28 中戦車 初期型 プラモデル (ホビーボス 1/35 ファイティングビークル シリーズ  No.83851 )」です

●第2次世界大戦初期におけるソ連軍の多砲塔中戦車「T-28」の「初期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット

●多砲塔重戦車「T-35」のコンパクト版として開発された中戦車「T-28」を再現、短砲身の主砲を搭載した砲塔の前部に銃塔を並列配置した特異なフォルムを再現した内容となっています

●「T-28」は、生産時期によって仕様が異なっており、本キットでは短砲身の「16.5口径 76.2mm戦車砲 KT-28」を装備した「初期型」が再現されています

【 「中戦車 T-28」について 】

●第1次世界大戦後から1930年までの戦車開発は菱形戦車「Mk.1」を始祖とした陸上軍艦型の重戦車と小型の軽戦車という2つのカテゴリーに分けられていました

●重戦車開発の頂点として1925年に登場したのがイギリスの重戦車「A1E1 インディペンデント」で、この多砲塔戦車は巨大な車体に5つの砲塔を持ち、展示演習において軽戦車を従えるように突き進む姿は各国の軍関係者に大きなインパクトを与えました

●ソ連軍では、ちょうどその頃、革命の混乱期を脱して軍の近代化を進めていた時期であり、「A1E1 インディペンデント」に深い感銘を受けた首脳部はその購入を打診、しかしイギリスからは断られてしまいます
●やむなく、ソ連軍では自国での多砲塔戦車の開発を開始、「A1E1 インディペンデント」を模した5つの砲塔を持つ重戦車「T-35」と、それよりもコンパクトな車体となる中戦車「T-28」の開発が同時進行で進められました

●「T-28」と「T-35」とは、開発の効率化を図るために極力部品などを共通化して開発が行われ、主砲塔と銃塔は同じものが使用されました

●また、車体がコンパクトな分、「T-28」の開発の方が若干早く進行し、1932年に試作車が完成、1933年の展示パレードには「T-35」が1両もしくは2両が参加したのに対して、「T-28」は10両が参加しています

●「T-28」は1933年に制式化、年間50両～100両程度が量産され、1940年までに多砲塔戦車としては最多となる503両が造られています

●「T-28」は、車体中央部に主砲塔を配置、その前方に銃塔が2基並列配置されるというレイアウトを採用し、その銃塔の間に操縦席が設けられました
●主砲塔には3名の乗員が配置され、操縦席と各銃塔には乗員が1名ずつ搭乗、合計6名の乗員により運用されました
●「T-28」は、試作中戦車「T-24」から大きな影響を受けたため、各転輪は垂直に立てられたサスペンションアームで固定されるという独特の足周りを持ち、外側部分には装甲スカートが付けられ、この足周りを防御するという構造となっています
●防御力は、最大装甲30mmと、当時としては標準的な防御力を持ちましたが、これは戦訓によって徐々に強化されることとなります

●「T-28」は、1939年のフィンランド戦に参加、この戦闘において対戦車砲などによって多くの「T-28」が撃破されてしまい、装甲の脆弱さが問題視され、装甲の強化へと繋がりました

●1941年独ソ戦が開始、装甲が強化された「T-28」は奮戦をしますが、緒戦におけるソ連軍の稚拙な作戦や補給状態の劣悪さによりその多くが撃破されてしまいます

●そして、多砲塔式による運用の不都合も露呈、車長は主砲塔と操縦手への指揮に手一杯の状態となり、実質的に前部の銃塔への指揮は困難でした
●また、銃塔は全周射撃ができず、片方の銃塔が無駄になる場合も多く、更にはボールマウント方式の機銃は有効射程が短いことから、このような銃塔を持つ多砲塔式は兵器としての有効性に欠けるということが認識されるようになります

●このため、「T-34」の配備が進むと徐々に「T-28」は姿を消して行きましたが、1943年頃まで運用が続けられ、ソ連軍の反攻までの貴重な時間を稼いだのでした

【 「ソビエト T-28 中戦車 初期型」のキット内容について 】

●このソ連軍の多砲塔中戦車「T-28」の「初期型」を再現したプラスチックモデル組立キットです

●車体や砲塔の主要部は一体成型のパーツでありながら、足回りや車載搭載品などを細分化したパーツ構成とエッチングで再現して、「T-28」の車体上のディテールを細かく再現、その細部表現に重きを置いた内容となっています


●「T-28」は、「主砲塔」、「銃塔」（×2）、「車体」の4ブロックで構成されています

【 主砲塔 】
●主砲塔は、天板部に星のマークが加工された「T-35」と共通となる「T-28」の特徴的な丸みを帯びた砲塔を再現、視察口、リベットなどのディテールが繊細なモールドで表現されています

●「16.5口径 76.2mm戦車砲」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲口部分は開口されています
　・ 揺架と防盾は、各1パーツで再現
　・ 砲塔の装甲カラー部は1パーツで構成されています
　・ 装甲カラーに装備されるサーチライト（×2）が付属、ガラス部はクリアパーツで再現されています
　・ 防盾は、上部可動とすることができます

●砲塔は、床面、中央部、天板部の3分割で再現され、中央部にはスライド金型を使用して視察口、ピストルポート、リベットがパーツ上に彫刻されています
　・ 上部ハッチは別パーツ化され、開閉状態を選択できます
　・ 天板のペリスコープも別パーツ化
　・ 機銃は機関部も含めて一体成型のパーツで再現され、上部のドラム式弾倉は別パーツ化されています
　・ 機銃のボールマウントは、内部のボール部分を、前後分割されたマウントで挟み込むことにより、回転可動します
　・ 鉢巻式アンテナは、基部も含めて一体成型のパーツで再現、アンテナ引き込み部は別パーツとなります

【 銃 塔 】
●銃塔は、1人用として左右非対称の形状を再現、側面の視察口、リベットなども彫刻されています

●銃塔は、上下分割のパーツで構成、前面パネルは別パーツ化されています
　・ 上部ハッチは別パーツ化され、開閉状態を選択できます
　・ 銃塔の吊り下げフックは別パーツ化して再現
　・ 機銃は機関部も含めて一体成型のパーツで再現され、上部のドラム式弾倉は別パーツ化されています
　・ 機銃のボールマウントは、内部のボール部分を、前後分割されたマウントで挟み込むことにより、回転可動します

【 車 体 】
●車体は、上下分割のパーツで構成、これにフェンダー、装甲スカート、エンジンデッキなどを取り付けます
　・ 操縦手の前面ハッチは別パーツ化され、開閉状態を選択できます
　・ 前照灯は、前照灯、ガラス部、前照灯カバーで構成され、ガラス部はクリアパーツです
　・ エンジンの点検ハッチは別パーツ化して再現しています
　・ 排気管は上下及び左右に4分割したパーツで再現、先端部は開口されています
　・ エンジンの吸気口部分は個別にパーツ化され、吸気グリルはエッチングで再現しています
　・ 車載工具類は、固定具がフェンダーパーツ上などに一体成型して再現されています
　・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は金属製のワイヤーとなります

●フェンダーは、左右各1パーツで構成され、フェンダー支持架はエッチングで再現しています
　・ フェンダー上のボックスは、左右分割されたパーツで再現されています

●装甲スカートは、ステー部分がブロックごとにパーツ化され、これに上部と側面とを各1パーツで構成したスカートを取り付けます

●エンジンデッキは、本体と左右側面に分割した3パーツで構成
　・ エンジンデッキによって隠れてしまう車体側のディテールやファンも再現されています

●サスペンションユニットは、2組の転輪とそれを支えるボギーに垂直に立てられるサスペンションアームを取り付ける構成となっています（全12ユニット）
　・ サスペンションアームから上部で繋がる緩衝装置は、フレームとサスペンションアーム上部とで構成されています
　・ 誘導輪、上部転輪は前後分割のパーツで再現
　・ 起動輪は前後方向に4分割したパーツで再現しています

【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
　・ 履帯は、中央部にガイドが付いた「T-28」用のシングルピン式履帯が再現されており、モデルカステン製「T28（ソ連）戦車用履帯」がこれに対応しています


●前照灯のガラス部を再現するクリアパーツが付属
●吸気口のメッシュ、フェンダー支持架、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属しています


【 「T-28」の塗装とマーキング 】
●「T-28」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されており、砲塔上部の帯を再現したデカールが付属しています


●「T-28」の完成時のサイズ
　・ 全長 ： 214mm
　・ 全幅 ： 82mm

●パーツ数 ： 790点以上

【 「ソビエト T-28 中戦車 初期型」のパッケージ内容 】

　・ ソ連軍 中戦車 T-28 ×1
　・ デカールシート ×1枚
　・ 金属製ワイヤー ×1本


●2014年 完全新金型