ロシア 自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ
「ロシア 自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.05542 )」です
●冷戦時代後期に開発されたソ連軍の試作自走レーザーシステム「1K17」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●レーザー照射で敵を無力化するのを目的とした試作自走レーザー兵器「1K17」を再現、「T-80」の車体に大型レーザー照射装置を備え、未来兵器を連想させる今まで見たことのないフォルムを再現した内容となっています
●トランペッター社製「ロシア 2S19 152mm自走榴弾砲 ムスタ-S」をベースに、「1K17」を再現するために、砲塔、車体上部などを新規パーツへと変更したバリエーションキットです
【 「自走レーザーシステム 1K17」について 】
●レーザー兵器はSFに登場する未来兵器という印象がありますが、1970年代頃から米ソを中心にレーザー兵器の研究が行われていました
●レーザー兵器の研究は、通常の兵器が使用できない宇宙空間において敵側の人工衛星や、上空から地上への攻撃を目的として進められていましたが、ソ連軍では地上戦に用いる兵器としても研究と開発を行っていました
●考えうるレーザー兵器の長所は
・ 重力の影響をほぼ無視できるので、狙った部分に向けて確実にレーザーを照射することができる
・ レーザー照射は極めて速いスピードであるため、目標到達のタイムラグを考慮する必要がなく、移動目標でも確実に照射することが可能
・ 同様に、レーザー照射後に敵が回避運動を取ることは事実上不可能
などであり、このことから、従来のような高度な照準器や弾道計算機、そして環境センサーなどを装備する必要がなくなり、レーザー照射機を除けば大幅なコストの低減を図ることができる、と考えられていました
●しかし、レーザー兵器はまだ研究段階の域を出ておらず、実用化まではまだ遙か先の状態であり、ソ連軍では当事のレーザーの性能を考慮して、レーザー自体で敵を撃破するということは諦め、レーザー照射によって敵のセンサー類や敵兵士の視力にダメージを与え戦闘能力を低下させることを狙いとしてレーザー兵器の開発を進めていたようです
・ 殺傷能力を持つレーザー照射には非常に高出力のエネルギーを必要とし、研究所などでの施設ではともかく、野戦用の兵器とするには無理がありました
●1982年、ソ連軍はレーザー兵器を搭載した最初の試作車両「1K11」を製作、この「1K11」の試験を元に1990年に作られたのが「1K17」です
●この「1K17」は「152mm自走榴弾砲 2S19 ムスタ-S」の車体を利用し、砲塔はレーザーへの電力供給のための巨大なものとなっており、前面部にはマルチビーム方式のレーザー照射機を搭載しています
●このレーザー照射機は、レーザーを拡散させて照射することや、方向を絞って照射することが可能で、その射程は10km程度だったと言われています
●この「1K17」は極めて革新的な兵器でしたが、ソ連崩壊による混乱や軍事費の大幅削減などにより以後開発は中止、作られた試作車は現在ロシア国内の博物館の片隅で余生を過ごしています
【 「ロシア 自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ」のキット内容について 】
●このソ連軍の試作自走レーザー兵器「1K17」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●車体下部、砲塔上部、エンジングリルなどは一体成型化したパーツで再現しながら、ディテール表現のため車体各所のパーツを細分化し、エッチングパーツをセットすることで「試作自走レーザー兵器 1K17」のメリハリの効いた車体ディテールを再現した内容となっています
●「試作自走レーザー兵器 1K17」は、「砲塔」「車体」「左右フェンダー」の4ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●砲塔は、「試作自走レーザー兵器 1K17」としての巨大な造りを再現、スライド金型により側面の各点検パネルや細かなディテールを再現しています
●「レーザー照射機」は、前後に分割したパーツで再現しています
・ 照射機の前面パネルはレンズ部分を開口しており、裏側から「レンズ」を再現したクリアパーツを取り付けます
・ 「レンズ」の蓋は別パーツ化して再現
・ レーザー照射機は上下に可動させることができます
●砲塔は上下に分割したパーツで再現、前面及び側面上部パネルは別パーツとなっています
・ 「上部ハッチ」は別パーツ化、開閉状態が選択できます
・ 砲塔の「手摺り」やハッチの「把手」を別パーツ化しています
●砲塔上部に装備する「12.7mm重機関銃 NSVT」が付属しています
・ 機関銃本体は一体成型のパーツで再現
・ 「銃架」は細分化したパーツ構成により、「銃架」の構造、「弾薬箱」「サーチライ」トなどを再現しています
【 車 体 】
●「T-80」をベースにした「試作自走レーザー兵器 1K17」の車体レイアウトを再現、低いシルエット、「T-72」に準じたエンジンデッキの構造、車体床面の複雑な形状、そして足周りなどを表情豊かに再現しています
●車体はベースとなる車体下部パーツに車体上部の各パネルを貼り合せて作製します
●車体下部はバスタブ状に一体成型となったパーツで再現
・ 「サスペンションアーム」「ショックアブソーバー」「ダンパー」を別パーツ化して再現
・ 「下部転輪」は前後に分割したパーツで再現、「ハブキャップ」は別パーツ化して再現しています
・ 「下部転輪」のゴムの部分には特徴的な放射状ラインをモールドで再現しています
・ 軟弱地脱出用の「丸太」を再現したパーツが付属しています
・ 「牽引ワイヤー」のアイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用します
●車体上部は、一体成型のパーツで再現
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ エンジングリルの「メッシュ」を再現するエッチングパーツが付属
・ 操縦手の「ペリスコープ」はクリアパーツで再現
・ 「前照灯」の「ライトガード」は一体成型化し、複雑なフレーム形状を1パーツで再現しています
・ 「前照灯」は前後に分割したパーツで再現、ライトガラスを含めた前部はクリアパーツで再現しています
【 フェンダー 】
●上部に多数の雑具箱を装備した「試作自走レーザー兵器 1K17」のフェンダー構造を再現、雑具箱は独特のプレスラインを深めのモールドで再現しています
●フェンダーは一体成型のパーツで再現
・ 「サイドスカート」は左右それぞれ一体成型のパーツで再現
・ フェンダー上の各「雑具箱」は個別にパーツ化、それぞれ2~3パーツで構成しています
【 履 帯 】
●履帯は、履帯ピン部分に滑り止めパターンが付いた「T-80」「T-90」用のダブルピン式履帯を再現しています
●履帯は、履板を1枚ずつ分割した接着連結式となっています
・ 履帯は、履板とセンターガイドとで構成しています
●エンジングリルのメッシュ、フェンダー内側のパネル、各部のディテールなどを再現するエッチングパーツが付属
●ペリスコープ、前照灯のガラス部などを再現するクリアパーツが付属
【 「自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ」の塗装とマーキング 】
●「自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されており、親衛マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●「ロシア 自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ」の完成後のサイズ
・ 全長 : 213mm
・ 全幅 : 103mm
●パーツ数 : 1060以上
【 「ロシア 自走レーザーシステム 1K17 スジャティエ」のパッケージ内容 】
・ 1K17 自走レーザーシステム ×1
・ エッチングシート ×1
・ 銅製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ カラー塗装図 ×1
●2015年 一部新金型
・ トランペッター社製「ロシア 2S19 152mm自走榴弾砲 ムスタ-S」をベースとして、砲塔、車体上部などを新規パーツへと変更したバリエーションキット