1/72 AFVモデル 八九式中戦車 甲型 後期 IBG MODELS

「八九式中戦車 甲型 後期 プラモデル (IBG 1/72 AFVモデル  No.72040 )」です

●日中戦争及び太平洋戦争時における日本陸軍の中戦車「89式中戦車」の「甲型」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立キット

●「ガソリンエンジン」を搭載した「89式戦車」の「甲型」で、「乙型」と同じ腰高の車体形状になった「後期型車体」を再現しています
　・ 少し前までの資料では「乙型」に分類されていたタイプとなります

●日中戦争では「鉄牛」としてその活躍がメディアに取り上げられ、性能的には旧式化しながらも太平洋戦争を通じて運用された「89式中戦車 甲型」の「後期型車体」を再現、車体前部に乗降用のドアを設け、車体後部に尾橇を装備した、特徴的な姿を再現した内容となっています

【 「八九式中戦車 甲型 後期」のキット概要 】

●IBG社が培ってきた技術力によって「89式中戦車」を再現、車載工具類を別パーツ化してディテール再現を追及しながらも、過度なパーツの細分化を避け、エッチングパーツも極力抑えた内容
●最近のIBG社のキットらしい繊細かつシャープなモールドとカッチリとした造形
●エンジングリルのスリットなどは強弱を付けたモールド、表面のリベットはスケールに応じた控えめなモールドで再現
●砲塔や車体は一体成型を多用しながらも、転輪は1枚ずつ個別にパーツ化
●車長ハッチは開閉状態を選択可能
●排気管ガードなどを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、「89式中戦車」用のシングルピン履帯、プラスチック製の一部連結式
●塗装例は日本陸軍仕様1種、部隊マークなどを再現したデカールが付属
●このスケールとしては希少な存在となる日本陸軍の戦車兵のフィギュア2体が付属

【 「89式中戦車 甲型」について 】

●日本陸軍は、世界的趨勢から第1次世界大戦時に登場した「戦車」に注目し、1918年の大戦終了直後から、イギリスとフランスから「戦車」を輸入し、技術開発と運用の研究を行います

●日本陸軍の戦車部隊は、これらの輸入戦車により徐々に戦力が充実して行きましたが、改良型であっても第1次世界大戦時の塹壕戦を前提とした戦車であったために、日本陸軍が主戦場と想定していた広大な満州（中国東北部）で運用するには機動力が大きく不足していました
●また、海路によって戦車を輸入するには、莫大なコストと時間が必要であり、1925年から日本陸軍の用兵に沿った国産戦車の開発に着手、1927年には初の国産戦車「試製1号戦車」を製作することに成功します
●この「試製1号戦車」は、日本陸軍が満足する性能を有していましたが、重量が18tにもなる当時の「重戦車」に区分される戦車となってしまい、よりコンパクトで使いやすい「軽戦車」の開発を開始、「試製1号戦車」を参考として1929年に誕生したのが「89式軽戦車」です

●この「89式軽戦車」は、改修を経て重量も増え、さらに、戦車を「軽戦車」と「重戦車」の2種に区分していた日本陸軍が新たに「中戦車」という区分を作ったことで、89式「中戦車」へと名称が変更となりました

●「89式中戦車」は、輸入戦車よりも良好な性能を示し、「満州事変」などの実戦では有効な対戦車兵器を持たない中国軍相手に大きな活躍を果たします

●しかし、「89式中戦車」の誕生以後、戦車の開発技術の発達は目覚しく、1930年代中頃になると「89式中戦車」は機動力と防御力の点で見劣りするようになりました

●日本陸軍では、この「89式中戦車」の能力を補うために1935年に「95式軽戦車」、そして後継として1937年に「97式中戦車」を制式採用、この2種の戦車が登場後も「89式中戦車」は第一線の戦車として運用が続きます
●しかし、1939年に発生した「ノモンハン事件」において、「89式中戦車」のみならず全ての日本戦車の対戦車能力の低さが露呈、特に「89式中戦車」は垂直状に切り立った車体前面などの防御上の欠点が多く、もはや戦車としての旧式化は否めないものでした
●もっとも、工業力の小さい日本にとって全ての「89式中戦車」を「97式中戦車」へと更新することは出来ず、太平洋戦争開戦時でも「89式中戦車」を装備する戦車部隊は少なくありませんでした

●「89式中戦車」は、1942年のフィリピン攻略作戦に参加、そして日本陸軍がその総力を挙げて挑んだ1944年の「フィリピン攻防戦」にも戦車戦力を補うために、相当数の「89式中戦車」が投入されています
●また、1945年の「沖縄戦」においても「89式中戦車」が参加、圧倒的不利な状況下にありながらも最後まで戦闘を継続しています

●「89式中戦車」は、国産初の制式戦車として十分な働きを行い、太平洋戦争時には老体に鞭打ちながら連合軍相手に奮戦、運用面や技術面において日本の戦車史に大きな足跡を残した戦車なのです

【 「八九式中戦車 甲型 後期」のキット内容について 】

●この日本陸軍の中戦車「89式中戦車 甲型」の「後期型車体」を再現したプラスチックモデル組立キットです

●IBG社が各スケールのキットにおいて培ってきた技術力を反映して「89式中戦車 甲型」の「後期型車体」を再現、繊細ながらシャープなモールドと、成型の薄さ、そしてエッチングパーツを極力抑えたパーツ構成により、その独特なフォルムとディテールを再現しています
　・ ミニスケールとしてはスタンダードなパーツ構成ながら、車載工具類などを別パーツ化、コレクション性とディテール再現とを両立した内容となっています

●このスケールとしては希少な存在となる日本陸軍の戦車兵のフィギュア2体が付属しています


●「89式中戦車 甲型 後期型車体」は、「砲塔」「車体」の2ブロックで構成しています

【 砲 塔 】
●左右非対称となった「89式中戦車」の砲塔形状を再現、表面のリベットやパネルラインはスケールに応じた浅めのモールド、視察ハッチなどはスケールに沿って強弱を付けたモールドで再現しています

●「90式 57mm戦車砲」の砲身は、遥架を含めた一体成型のパーツで再現
　・ スライド金型を使用して砲口を開口しています
　・ 「防盾」は、砲塔前面パネルに一体成型化しています

●砲塔は、上下及び前後面の4パーツで構成
　・ 「車長キューポラ」は独立したパーツで再現
　・ 「車長ハッチ」は別パーツ化しており、開閉状態を選択できます
　・ 「後部機銃」のマウントは後部パネルに一体成型化、機銃は別パーツ化しています
　・ 「対空機銃架」は一体成型のパーツで再現、「機銃」を装着していない状態となっています


【 車 体 】
●複雑な形状となる「89式中戦車」の車体をパーツ数を抑えて再現、表面のリベットはスケールに応じた浅めのモールド、ハッチのラインやエンジングリルのスリットなどはスケールに沿って強弱を付けたモールドで再現しています

●車体は、上下及び前面の3パーツで構成
　・ 「前部ドア」はモールドにて再現
　・ 「前部機銃」のマウントは前面パネルに一体成型化、機銃は別パーツ化しています
　・ 「スポンソン」は2パーツ、前後の「フェンダー」はそれぞれ一体成型のパーツで再現
・ 「車載工具類」は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
　・ 「排気管」は一体成型のパーツで再現
　・ 「排気管ガード」は、プラスチック製パーツとエッチングパーツの2種をセット、選択して使用します

●尾橇は、各フレームもしくはプレートを貼り合せて作製します
　・ 上部のフレームはエッチングパーツで再現

●サスペンションに装甲カバーが付いた「89式中戦車」の足周りを再現
　・ 「リーフサスペンション」は、それぞれ一体成型のパーツで再現
　・ 「転輪」は個別にパーツ化しています
　・ 「起動輪」「誘導輪」は表・裏に分割したパーツで再現
　・ 「装甲カバー」はそれぞれ一体成型のパーツで再現しています

【 履 帯 】
●履帯は、各履板に起動輪及び誘導輪用の2つ穴が開いた、「89式中戦車」用のシングルピン履帯を再現しています
　・ 履帯は、プラスチック製パーツ、一部連結式となっています
　・ 履帯の上下の直線部分は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は履板1枚ずつに分割したパーツで構成、上部の履帯パーツには上部転輪にかかった弛みを表現しています


【 フィギュア 】
●日本陸軍の戦車兵のフィギュア2体が付属しています
　・ フィギュアの内訳は、車長1体、戦車部隊将校1体です

●車長は、キューポラから上半身を出して、両手でキューポラを持ったポーズ
　・ 車長は半身像となります
　・ 服装は、「作業衣」を着用、「戦車帽」を被った姿です
　・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、装備品などの細部は繊細かつシャープなモールドで再現しています
　・ 車長は、「胴体」「両腕」のパーツ構成です

●戦車部隊将校は、車外に立ち、片手は腰の位置に置き、もう一方の手で指差しているポーズです
　・ 服装は、「98式軍衣」を着用、「ブーツ」を履き、「戦車帽」を被った姿です
　・ 服の皺の表現はスケールに沿った凹凸モールドで再現、装備品などの細部は繊細かつシャープなモールドで再現しています
　・ 戦車部隊将校は一体成型のパーツで再現


●排気管ガードや尾橇の上部フレームを再現したエッチングパーツが付属しています


【 「89式中戦車 甲型 後期型車体」の塗装とマーキング 】
●「89式中戦車 甲型 後期型車体」のマーキングとして、日本陸軍仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されています
　・ 戦車第7連隊 （フィリピン / 1941年～1942年）

●説明書の塗装例に基づく、部隊マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています

【 「八九式中戦車 甲型 後期」のパッケージ内容 】

　・ 89式中戦車 甲型 後期型車体 ×1
　・ 日本陸軍 戦車兵 ×2
　・ エッチングシート ×1
　・ デカールシート ×1
　・ 組立て説明書 ×1


●2016年 完全新金型